ハーレーパーツメーカー~CASTROL

当コラムでは、ハーレーパーツメーカーを順次紹介しています。前回は、アメリカの老舗ハンドツールメーカー「Lang Tools」をご紹介しました。
今回はパーツメーカーではありませんが、当店で取り扱っている老舗のオイルブランド「CASTROL(カストロール)」をご紹介します!
カストロールはイギリスのオイルブランド!
今回ご紹介するのは、バイク好きなら誰もが知るオイルブランド、「カストロール」です。オイル”ブランド”と記したのは、現在のカストロールは企業名ではなく、ブランド名だからです。まずは、その沿革をご紹介しましょう。
現在のカストロールブランドに繋がる企業は、1899年にイギリス人のチャールズ・ウェイクフィールドが設立した「C.C. Wakefield & Company」です。鉄道や重機械用潤滑油の販売会社として設立されました。
20世紀初頭、チャールズは2つの新しい機械に興味を持ちました。それは自動車と航空機です。チャールズは自動車と航空機が搭載するエンジンに適した潤滑油の開発に着手しました。
これらのエンジンには、始動時の低温から十分に機能する低粘度のオイルと、極めて高温の状態でも十分に機能し続ける高粘度のオイルが必要でした。そこで植物油である「ヒマシ油」を一定量加えるとうまく機能することを発見し、この新製品を「カストロール」と名付けました。これがカストロールブランドの始まりです。
1960年には、モーターオイルの名称である「カストロール」が企業名を凌ぐほど有名になったため、会社名を「C.C. Wakefield & Company」から「Castrol Ltd.」へと変更しました。1966年には、カストロールは「Burmah Oil Company」に買収され、その後2000年には「Burmah-Castrol」がBPに買収され、現在に至ります。
二輪用オイル開発にロボットライダーを使用!
カストロールはモーターサイクルメーカーやレーシングチームと協力して、イギリスのパングボーンにある二輪車専門研究開発施設で、オイル技術の限界を押し広げようと日々開発に取り組んでいます。
この最新鋭の研究施設でカストロールは、「フロッシー」というロボットのテストライダーを使用しています。「フロッシー」は人間のテストライダーとは異なり疲れ知らずで、過酷な天候からも影響を受けません。そのため、過酷な気温で長期間にわたって行うテスト走行でも、精密なシフティングにプログラムすることができます。
さて、前述のようにBPの傘下に加わったカストロールですが、2017年には同社初の25%再生可能な植物性オイルを使用した、バイオ合成エンジンオイルを発売しました。
現在でもカストロールは、チャールズ・ウェイクフィールドの情熱とスピードの伝統を受け継ぎ、さらにサステナビリティの向上やデジタル化を実現するため、製品やビジネスの新しいモデルをテストし開発を進めています。
カストロール Power1 シンセティックオイル 20W-50
品番:15D28D
メーカー:Castrol
価格:¥3,546(税込)
内容量:1クォート(946ml)
ここでご紹介するのは、カストロール製100%化学合成油です。パッケージにある通り、ハーレーダビッドソンで実証テストを繰り返し、開発されたオイルです。
エンジン、トランスミッション、プライマリー全てに使用可能。カストロールの持つレース由来の技術で、エンジンの加速を最大限に高め、かつ優れたせん断安定性で高温時の粘度低下を抑止します。高いエンジン保護性能は、トランスミッションのギアシフト、プライマリーチェーンの可動部分の保護にも効果を発揮します。
カストロールは2014年に世界で初めてエンジンオイルにカーボンニュートラルを導入したメーカーです。オイル使用時に排出されるCO2を最大限削減しても、4Lあたりの使用で8kgのCO2を排出します。そのためカストロールでは森林保全やクリーンエネルギー事業への参加、および投資を行い、排出した8kgのCO2削減に取り組んでいます。カストロールの活動は「PAS 2060」に準拠して独立した第三者によってカーボンニュートラルであることが検証および保証されています。