バイクで起こる〇〇現象~オイル下がり、オイル上がり

投稿日:2025-08-29

最近の新車では起こり得ない症状ですが、年季の入ったハーレーダビッドソンで発生するトラブルとして、「オイル上がり」と「オイル下がり」があります。

 今回は、この「オイル上がり」と「オイル下がり」について解説します!

 

オイル上がりとは

その名の通り、オイル上がりとは、オイルが燃焼室まで上がってしまう現象です。

内燃機関では、エンジンの燃焼室内で混合気を爆発させることで駆動力を得ています。一方、燃焼室の外のエンジン内部にはオイルが循環しており、潤滑による焼き付き防止、温度管理などの役割を果たしています。オイル上がりとは、クランクケース側から燃焼室にオイルが入り込んでしまう現象のことです。

 

オイル上がりの症状

オイル上がりでは、主に2つの症状が現れます。1つは、マフラーからの白煙です。エンジンを高回転まで回したとき、あるいはエンジンブレーキをかけた際に、マフラーの排気に白煙が混じっていたら、オイル上がりの可能性があります。

もう1つの症状は、エンジンオイルの減りが早くなることです。オイル交換時に気づくはずですので、適切な対処を行いましょう。

 

オイル上がりの原因と対策

オイル上がりは、エンジン下部からオイルが上がってしまう現象であるため、主な原因はピストンオイルリングの劣化・破損、シリンダーの傷です。

対策としては、ピストンリングのアッセンブリー交換で済む場合もあれば、シリンダーのホーニングやボーリングを含むオーバーホール(OH)が必要になる場合もあります。ピストンリング交換まではDIYでも可能ですが、プロショップに依頼すると安心です。

 

ピストンリング48-80年 1200cc 020

品番: DS-750622

メーカー:HASTINGS

価格:¥7,909(税込)

適合:パン、ショベル1200cc

ピストンリング48-80年1200cc .020(オーバーサイズ)。キャスト、1台分のセットです。HASTINGS製です。

 

VT EL1000cc用ピストンキット STD

品番: 11-0426

メーカー:V-TWIN

価格:¥48,840(税込)

適合:1936-52年 1000cc ELモデル用(ナックル・PAN)

V-TWIN製「レプリカピストンキット 3-5/16”ボア」のスタンダードサイズピストンキットです。ピストン、HASTINGS製リングキット、ピストンピン、クリップのセットです。

シリンダーはピストンに合わせてホーニングまたはボーリングが必要になりますので、作業は必ず専門店に依頼してください。EL用ピストンは、0.020インチオーバーサイズの次は0.040インチと、偶数のオーバーサイズしか製造されていません。

 

オイル下がりとは

続いては、「オイル下がり」について説明します。オイル上がりとは逆に、燃焼室の上からオイルが下がって入り込んでしまう現象です。

 

オイル下がりの症状

オイル上がりはエンジンを高回転に回した際に白煙が出るのに対し、オイル下がりは減速時やエンジン始動時に白煙が出る場合に疑われます。

特に始動前にはオイルがエンジン上部に溜まっているため、始動時の白煙の有無でオイル下がりの有無を判断しやすいです。

 

オイル下がりの原因と対策

オイル下がりは、バルブ周辺からのオイルの侵入が原因です。バルブガイド、バルブシールの摩耗・破損、バルブ本体の不良などが原因として考えられます。

これらの修理はプロショップに依頼することになります。白煙が出ていると大きなトラブルのように思えますが、整備自体はエンジン上部で完結するため、比較的容易な修理です。

 

JAMES Viton バルブシールセットL79-84BT

品番: JGI-18000-81

メーカー:James Gaskets

価格:¥2,684(税込)

適合:79年後期〜84年ビッグツイン(79〜80年は合わない場合もあるので事前にご確認ください)

「JAMES Viton バルブシールセットL79-84BT」。

ヴァイトンは、テフロン同様のフッ素ゴムです。テフロン同様に耐熱、耐油、耐溶剤性に優れ、酸やアルカリにも強い性質を持ちます。さらにテフロンに比べて、柔軟性、弾力性に優れています。

【取り寄せ】 Kibblewhite インテーク/エキゾーストバルブガイド48-79BT .004

品番: 20-2026C

メーカー:Kibblewhite

価格:¥2,277(税込)

適合:1948-79BT 1200cc

Kibblewhite製 インテーク/エキゾーストバルブガイド。0.006インチオーバーサイズです。バルブの種類によっては内燃機加工(ボーリング、ホーニングなど)が必要になる場合があります。

 

まとめ

ハーレーダビッドソン特有のトラブルとして、「オイル上がり」と「オイル下がり」について説明しました。

いずれのトラブルも早期発見、早期対応が重要です。定期的な点検と適切な部品交換で、愛車のハーレーダビッドソンを長く快適に楽しみましょう。

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