前派?後派?フットコントロールはスタイルで選べ!

当コラムの書き出しとしては、はなはだ不適切かもしれませんが、先日、クルマを購入致しました。それもハーレー乗りとは対極に至るような趣味のクルマ……ミニクーパー(クラッシック)です。一般的には大きいバイクとして認識されるハーレー乗りの愛車が、軽自動車サイズ(より小さい)のミニクーパーというのだから、その対比はかなり間違っていると思います。
しかし、買ってしまったからには乗るしかありません。幸い、ミニクーパーの排気量は1,300ccと、ほぼほぼハーレーと同じです。似た感覚で乗れるかと、ドライブに出かけました。車両の小ささ、車重の軽さに加え、過分に大きなエンジンは、なかなか好調に回り、ドライブ自体は楽しい時間となりましたが、やはり問題が生じました。それは「ドライビングポジション」です。ミニのコクピット見た目よりは遙かに大きく感じるのですが、やはり限界はあって、どうしても足を折り畳んだ窮屈な姿勢を強いられるワケです。それこそフリスコスタイルのごとく……。あの姿勢で長時間ドライブは無理だと判断し、途中で当初の予定を取り止めて帰宅した次第です。
ドライブポジションがちょっと窮屈になっただけで、あんなにも苦しい思いをするとは……というのが、その時の感想です。そして同時に思いました。フリスコに乗るのも絶対に無理だな……と。そこで今回は、ドライブポジションを決める、フットコントローラーの位置についてお話したいと思います。
フットコントローラーの位置はスタイルで決まる
ハーレーと一口に言っても車種や年式によってもその形状は大きく変わりますし、またカスタムのスタイルによってもその形状は大きく変化します。特に顕著に表れるのが、フットコントローラーの位置ですね。例えば、一般的にアメリカンと呼ばれる形状ならステップを前方に位置する、フォアコンと呼ばれるステップを採用していますし、カフェレーサースタイルならば、バックステップと呼ばれる後方に配置されたフットコントローラーを採用しています。
このように、フットコントローラーの位置は自分の乗る愛車の車種によってもスタイルよっても左右されることになるのです。
フォワードコントロール
ステップが前方にあり、足を放り出して乗るようなスタイル……それこそ「キャプテンアメリカ号」や「マルボロマン」のスタイルを思い出していただければ間違いありません。元々、通常の位置より前方にステップバーだけを前方に付けたのが始まりだそうですが、ステップだけが前方にあるとブレーキ操作やギアチェンジが難しいということで、ブレーキ&チェンジレバーも前方の位置に持ってきて配置したものがフォワードコントロール=フォアコン呼ばれるようになりました。
アメリカン&ハーレーらしいポジションが取れ、長距離走行などに際し、疲労しにくいなどの長所があります。
ミッドコントロール
フォワードコントロールが足を前へ投げ出しているような位置であるのに対し、ミッドコントロールはそこから後方向へ行った位置に配置されます。元々、バンク角を稼ぐ為、ステップの位置を高くしたのが始まりと言われています。擦り抜けのためにカスタムされたという、フリスコスタイルなどによく見られるカスタムです。レースパーツとしても使われることが多いようです。同時にマフラーをアップタイプにしてサイドスタンドを擦らないようにすることで、より効果は高まることでしょう。
また、ステップの位置が高くなることで身体を小さく折り畳んだ乗車姿勢になり、「車格が大きく見える」効果もあります。
バックステップ
ステップをミッドコンよりもさらに後ろに配置することで、ライディングポジション(特に腰の位置)を後輪に荷重しやすくするパーツのことです。カフェレーサースタイルなどのカスタムをする際に用いられることが多いようです。ひざの位置が低くなるため、上体を前傾させたときに股関節の屈曲が小さくなるようです。
ミッドコントロールキット 00-06年FXST
フォアコン気味のソフテイルのペグの位置をミッドコントロールに変えてしまうキットです。足の位置が近くなるので操作性もアップ!適合 2000-06年FXST。
品番:HD-05346
メーカー:KIJIMA
価格:¥70,200(税込)
ステップバックキット 07年以降FXST/FXSB
ソフテイルのフットポジションをもう少し手前に……とお考えの方にぴったりのパーツです。65mmほど後ろに下がり、25mmほど上に上がります。適合 2007年以降のFXST/FXSB。
品番:HD-05358
メーカー:KIJIMA
価格:¥77,760(税込)
まとめ
いかがでしたか?フットコントロールの位置、何となく頭に入ってきてくれましたか?要するに筆者はミッドコン気味なミニクーパーの乗車姿勢を、どうにかフォアコン気味でゆったりとした乗車姿勢に変えないと思っていただけだったのですが、結果、このようなコラムとなってしまいました。クルマと違い、バイクはライダーのライディングポジションも見た目のカッコ良さを決める大きな要素の一つとなりますので、色々と考えたほうがいいかもしれませんね。クルマは楽ができることこそが一番だと思います。