ハーレーパーツメーカー~チャンピオン

先日、当コラムでプラグの種類について記させていただきました。そういった文章を書く際は、やはりプラグについての勉強、おさらいなどをしてから書くよう心がけています。
何せ、筆者が持っている知識と言えば、基本的に高校生の時に友達から又聞きしたような間違った与太話を、そのまま信じて今に至っていたりするからです。このコラムを書くようになってからも、いかに自分の持っていた知識がいい加減なものであったかを、何度も思い知らされました。
それで、上記したようにプラグについて勉強をしていたところ、チャンピオンのプラグのことをふと思い出したので、今回はチャンピオンについて触れてみたいと思います。
CHAMPION
チャンピオン(CHAMPION)は1907年にアメリカのボストンで、ストラナハン兄弟により設立されたプラグ製造会社になります。世界初の量産自動車であるフォード「モデルT」にプラグを搭載されて以来、世界中の自動車メーカーに採用され続けている、老舗中の老舗とも言うべきプラグメーカーになります。
主要製品は下記の通りです
- 自動車用エンジンの点火プラグ
- 二輪車用エンジンの点火プラグ
- 点火プラグワイヤー
- 点火システムの配線
見てもわかるように、やはりほとんどプラグ中心ですね。プラグメーカーなのだから当然です。ルノーのF1の点火プラグも手がけるなど、市販車からレーサーにまで採用されていることからもわかるように、その信頼性は極めて高いと言えるでしょう。100年以上の歴史を持つチャンピオンプラグはスパークプラグ業界のリーダー的な存在として、現役で活躍しています。
……と、ここまでハーレーとのつながりについて触れてませんでしたね。チャンピオンはハーレーの純正プラグを手がけるメーカーとしても知られています。お互い全米屈指のメーカー同士ですから、そうなっても不思議はありませんね。とにかく、ハーレーの純正プラグと言えばチャンピオンだったわけです。
というわけで、ハーレー乗りでプラグと言えばNGKしか知らない……なんて人は、まずいないわけです。ロゴもカッコいいですしね。
それと、チャンピオンと言えば「コソの点火プラグ」が有名ですね。1961年2月13日にアメリカのカリフォルニア州オランチャから北東に10kmほど離れた、コソ山脈で点火プラグが発見されました。このプラグを覆っていた石化した土を地質学者が鑑定を行ったところ、50万年前という鑑定結果が出されたというのです。つまり、50万年前には点火プラグが存在したというのですね。まさにオーパーツ(場違いな工芸品という意味で、発見された場所や時代とはまったくそぐわない物品のこと)です。
ところが、2000年にアメリカ点火プラグコレクター協会の会長、同協会副会長、コレクター、点火プラグの私立博物館館長という、全米を代表する4人の点火プラグコレクターたちがX線写真をもとに鑑定した結果「1920年代のチャンピオン社製点火プラグに間違いない」という鑑定結果が出されています。
なお、その後現物は行方不明となっており、写真しか現存していないとのことです。
チャンピオンスパークプラグ D16 ナックル・サイドバルブ
品番:22140
メーカー:CHAMPION
価格:¥510(税込)
チャンピオンスパークプラグ RL82YC
品番:RL82YC
メーカー:CHAMPION
価格:¥518(税込)
いかがでしたか?F1、ハーレー純正からオーパーツに至るまで、あらゆる場面で使われているチャンピオン社製のスパークプラグ。これも100年以上の歴史を持つからこそ起こりうる老舗あるあるですよね。必要不可欠なパーツ、プラグ一つにも様々な種類や歴史があるのです。面白いですよね。