ロングフォークチョッパーのメリットデメリット

投稿日:2017-08-25

チョッパー乗りなら一度くらいは憧れるであろうカスタムが、ロングフォークではないでしょうか。広大な大陸を横切る真っ直ぐな道を、ただただ何も考えることなくひた走る……まさに映画「イージーライダー」の世界観そのものと言ってもいいかも知れません。そんな思いにふけりながら乗るアメリカンバイク……まさにバイカー冥利に尽き瞬間ですね。そうした世界観を日本で丸々と再現するのは難しいかもしれませんが、ハーレーをロングフォークにカスタムすること自体はそれほど難しくはありませんし、実際にロングフォークは人気のカスタムの一つです。当サイト読者の中にも、今まさにロングフォークに乗っているという方や、カスタムしようか検討中という方もいらっしゃることでしょう。

そこで今回は、ロングフォークチョッパーのメリット・デメリットについて語ってみたいと思います。

 

ロングフォークチョッパーの外観上の特徴

ロングフォークチョッパーとは……そのものズバリ、ロングフォークを採用したチョッパーのことです。名前のまんまですよね。要は映画「イージーライダー」に登場する「キャプテンアメリカ号」などが代表例だと思っていただければ間違いありません。ストレッチされたフォークとともに美しい二等辺三角形のシルエットを描くリジッドフレーム、ハイマウントされ小ぶりなタンクにシッシーバーといったスタイルが一般的でしょうか。

ハンドルなどに関してはベントバーやエイプハンガーなど、好みによって様々な使われ方をされているようです。やはり、映画「イージーライダー」が公開された当時……60年代後半から70年代をイメージしたカスタムが多いようですね。まさに旧き良きアメリカを体現したかのようなカスタムが、ロングフォークチョッパーと言えるかもしれません。

 

ロングフォークチョッパーに付随するカスタム

ロングフォークチョッパーにカスタムされた車両に多く見られるカスタムが、フロントブレーキレスとジョッキーシフトになります。フロントブレーキレス化はロングフォークがフロントブレーキ耐えられず負荷がかかることからハズしたとも言われています。確かに、あれだけ長いフォークのバイクでフロントブレーキだけをかければ、そうなるのも納得がいきますよね。

このフロントブレーキレス化とジョッキーシフト化されたカスタムを称して、スーサイド(自殺)と呼ばれています。確かに、その2つが揃ったバイクを運転するのは自殺行為なのかもしれませんし、興味のない方からすれば常軌を逸している行為なのかもしれません。しかし、どうしてもそのバイクじゃないとダメ!というバイカーも少なからず存在し、その価値感は現在も多くのバイカーたちから支持を受けているのです。

 

ロングフォークチョッパーに乗った感想

では、実際にロングフォークチョッパーに乗った感想を書いてみましょう。まず、通常に真っ直ぐ走ることに関してですが、超ロングフォークの場合、顔を真っ直ぐにしていると前が見えなくなります。乗る際は顔をちょっと横にズラして前方を確認するというスタイルになります。また、ハンドルを切ると重すぎて急に切れ込んでしまいます。ハンドルも腕を上に構えるようなスタイルになるので、体力的にヤバい感じがします。

要するに……普通のバイクしか乗ってこなかったライダーが、いきなり運転できるかというと、無理のようです。フロントブレーキレスの場合、さらに状況が悪化して、坂道発進ができなくなります。できなくもないのでしょうけど、大分、難しいライドを余儀なくされることになるでしょう。Uターンどころか右折にも気を使います。また、全長が4mを超えるような超ロングフォークの場合、駐車スペースの確保がかなり困難になってきます。

 

ロングフォークチョッパーのメリット

ロングフォークチョッパーのメリットと言えば……まず挙げられるのが外観でしょう。もちろん、好みによって別れるとは思いますが、このカスタムを好ましいと思っている方も多いことは間違いありません。逆に危険度が大幅に増すといったデメリットが目立ちますが、逆に「こんな乗りにくいバイクを操る俺、カッケー!」とオーナーの満足感を煽ってくれるといったメリットも生じますね。

基本的にロングフォークチョッパーのメリットと言えば、オーナーの自己満足感に花を添えるくらいじゃないでしょうか。

 

・外観がカッコ良くなる(好みの問題)

・走行性が悪化することで逆にオーナーの満足感を煽ってくれる

 

ロングフォークチョッパーのデメリット

では、今度はロングフォークチョッパーのデメリットについて語ってみましょう。まず、規格外のパーツを用いることで、耐久性は確実に悪化します。そしてハンドリングも確実に悪くなります。Uターンすら満足にできなくなります。上記したように走行性に関しては、その全てが悪化します。超ロングフォークカスタムを施した場合など、まともな駐車場などが使えなくなる可能性が生じます。

ということで、ロングフォーク化を施した場合のデメリットを連ねてみました。

 

・耐久性が悪化する

・ハンドリングが悪化する

・前方視認性が悪化する

・駐車スペースの確保が困難(カスタムの程度により異なる)

・見栄えが良くなる(人により異なる)

 

結局、ロングフォークって何がいいの?

ロングフォークチョッパーのメリットデメリットについて書かせていただきましたが、結局、一般的な視点から見たロングフォークチョッパーとは、オーナーの自己顕示欲と所有欲を満たすことくらいといった結果となりました。

ただ、あのスタイルに憧れるバイカーも数多く存在するので、一概には結論を出せませんが、外観以上のメリットはないようです。それでもやらずにはいられないバイカーのリビドーこそが、ロングフォークチョッパーを創りあげているのではないでしょうか。

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