不朽の名作!ハーレー人気モデル紹介〜FXR

ハーレーダビッドソンのスポーツモデルといえば今も昔も「スポーツスター」。それは間違いありません。近年は、水冷エンジンを軽量コンパクトな車体に搭載した「ストリート」もまた、ハーレーにおけるスポーツ的なモデルとしてラインアップに加わっています。
一方で、空冷ビッグツインエンジンを愛するハーレー・バイカーは、ダイナ系だけが持つ独特のスポーツ性に今でも魅了されていると思います。
今回は、そんなダイナ系モデルのなかから「FXR」をご紹介してみましょう!
「FXR」はダイナファミリーのモデル
2018年の日本におけるハーレーのラインアップには、”ストリート”、”スポーツスター”、”ソフテイル”、”ツーリング”、”CVO”、それに”トライク”と6つのグループが存在します。アレっ、そう、2018年から”ダイナ”(と”V-Rod”)がカタログ落ちしてしまっているのです!これは衝撃……筆者などは驚きのあまり失禁してしまいましたよ。
ということで今回ご紹介する「FXR」は、その6つのグループから抜け落ちてしまった”ダイナ”ファミリーのモデルという位置づけになります。
ダイナ系のご先祖さまは……
ダイナ系モデルのご先祖が登場したのは、1971年のこと。ご覧の「FX 1200 Super Glide」がソレでした。エンジンとフレームの基本構成を”FL”系から譲り受け、フロントエンドはスポーティな”スポーツスター”系によく似た構成。それに専用リヤサスペンションを組み合わせていました。
ハーレーダビッドソン本社では、この「FX 1200 Super Glide」によってクルーザーという新ジャンルが生まれた、と謳っています。
余談になりますが、1977年には、”FX”系の派生モデルとして、ドラッグスタイルのハンドルバーと個性的なペイントスキームが施された「FXS Low Rider」がリリースされています。
FXRは1982年に登場した!
そして1982年に登場したのが、今回の主役「FXR」。既存の”FX”系モデルも継続販売されています。
「FXR」の車体のベースとされたのは「FLT Tour Glide」。若干フレーム直径が大きく、ステアリングヘッド周辺の構造は簡略化されていました。それより何より、本車両の特徴はエンジンをラバーマウントしていたこと。これこそが「FXR」独自の乗り味を生み出しました。ミッションも、既存”FX”系がリジッドマウントの4速であったのに対して、「FXR」ではラバーマウントの5速とされていました。
ダイナフレームは1991年に登場した!
さて、FXRをモデル名の一部とするモデルは、派生モデルを増やしたり、モデルチェンジを受けつつ、販売が継続されていましたが、1991年に大きな変化がありました。
それが”ダイナ”シャシーの登場です。ご覧の「FXDB Dyna Glide Sturgis」に初採用されて、1991年に登場しました。以降、FXRをモデル名に含む各モデルは、この新しいダイナ系シャシーを採用して行きます。
その最大の特徴は、”FX”系の特徴だったラバーマウントを3点から2点に減らしていたこと。これにより振動吸収に関してはデメリットであったものの、生産効率は向上しました。
「FXR」の名を持つモデルは、90年代半ばに途絶えてしまいましたが、エンジンをラバーマウントすることで生まれた独特な乗り味を持つ”ダイナ”系は、ハーレー的なスポーツ走行を愛するバイカーに愛され続け、2017年まで存続したのでした。
「FXR」は名車なのか!?
いかがでしたでしょうか?今回はダイナ系シャシーの生みの親的なモデル「FXR」をご紹介してみました。
決して「コレゾ歴史的名車!」というモデルではありませんし、その末裔は2018年カタログから抜け落ちてしまいました。が、それでもやっぱり、「FXR」こそがダイナ系シャシーの生みの親的なモデル。やっぱり隠れ名車くらいにランク付けして、愛でておきたいモデルだと思った筆者です。