ボルト素材の重要性についてざっくり把握しよう!

モーターサイクルの構成パーツには、カースト制度こそありませんが、それでも何となく、大事にされるものと、邪見に扱われがちなものがあるものです。マフラーやホイール、リアショックなんかは、作業そのものは簡単なのに、交換すれば、なんだか自分が少しばっかり偉くなった気分になったりもします。
ところが……多くの場合、交換されても陽の目をみることがないパーツも少なくありません。そこで今回は、モーターサイクルに無くてはならない存在でありながら、影の薄い存在である”ボルト”についてのお話です。特に”素材”という視点から見て行きましょう。
ボルトの素材を知っていますか?
モーターサイクルに使われるボルトの素材は、スチール・アルミ・ステンレス・チタン。それに部位によっては、真鍮製ボルト、それに樹脂製ボルトというのも使われています。で、当たり前の話ですが、それぞれの素材は合金ですから、純鉄・純アルミ、とかではありません。
そして、モーターサイクルに採用されるにあたっては、主たる目的である締結を最優先しつつ、合わせて熱導電性や重量、それに外観を加味されたうえで、最終的にはコストも勘案して、選ばれているわけです。
では、以下は各素材のザックリとした説明になります。
スチール製ボルト
モーターサイクルのボルトで一般的なのはスチール製ボルト。スチール製ボルトが多く採用されるのは、強度が出る割に安価だから。表面処理には種類があって、ビカビカに光るクロームメッキのほか、渋くて光らないユニクロメッキ、亜鉛メッキ、それに旧車に使われているパーカライズド処理などが施されています。
1948-84年用 ヘッドボルトセット クローム
品番:DS-190670
メーカー:COLONY
価格:¥10,368(税込)
クロームメッキ仕上げが施されたスチールボルト。「1948-84年ビックツイン用 ヘッドボルトセット」です。オーバーホール時にどうぞ!
G5ユニクロボルト1/4-20×7/8
品番:HSB-142078
メーカー:GUTS CHROME
価格:¥108(税込)
例えば、こちらがユニクロメッキ仕上げの6角ボルト。ヘックスボルトとも呼ばれます。1/4-20×7/8、首下は約22.2mm。サイズに応じてお買い求めくださいね。
パーカライズド仕上げ インチボルト 5/16-18×1-3/4
品番:MK-255
メーカー:kH Engineering
価格:¥255(税込)
色合いはマットブラックですが、ペイントとは異なる質感が魅力。旧車によく使用されているのがパーカライズド仕上げされたスチール製ボルト。
本製品は、首下長さが約44.45mmです。
ステンレス製ボルト
強度が出しやすく、耐食性に優れるのが、ステンレス製ボルトの魅力です。
PANカバー用ステンレスボルト24本セット
品番:RE-182
メーカー:R&U PRODUCTS
価格:¥3,456(税込)
当店ネットショップで販売しているステンレス製ボルトとしては、例えば「PANカバー用ステンレスボルト24本セット マイナス」があげられます。DリングなしでPANカバーを組み付ける際に最適なスクリューセットです。首下9.5mmです。
アルミ製ボルト
さて、続いては、アルミ製ボルトについて。アルミ製ボルトの特徴と言えば……やはり軽量であること。そして比較的腐食にも強い点があげられます。そのためモーターサイクルにも数多く使用されています。これは主には比重が軽いことによるのですが、一方で、スチール製ボルトやステンレス製ボルトと比較すると、明らかに強度が劣ります。単純にスチール製ボルトからの交換品として使うと、締め付けたときにネジ切ってしまう恐れがあります。また必要な強度が出ない場合もあります。
アルミ製ボルトの特徴としては、幾分お値段はお高いのですが……見た目がカッコよくなる場合が多い点もあげられます。それは表面処理のお陰でして、ポリッシュ仕上げや、有名なアルマイト仕上げが施されることもあります。
チタン製ボルト
軽量化が求められる分野、例えば航空宇宙産業や二輪&四輪レーサーなどでお馴染みなのが、チタン製ボルトです。それら分野で使われるチタン製ボルトは、軽量でありながら、強度が高いのが特徴です。さらに!耐食性や耐熱性にも優れています。残念ながら極めて高価ではありますが、それでも、グラム単位の軽量化を求める人々がこぞって採用することから、その効果も高いのでしょうね。モーターサイクルのカスタムパーツとして様々まタイプが市販されていますので、ご興味のある方はどうぞ!
ボルト素材は用途に応じて使い分けられている!
いかがでしたでしょうか?今回は、数多あるモーターサイクルのパーツのなかで、比較的地味なボルト素材についてご紹介してみました。
ハーレー・バイカーの皆さまには同意して頂けるかと思いますが、ボルト素材は用途に応じて使い分けられているのですから、むやみに変更すべきものではありません。部位によって締結に求められる強度は異なりますからね。
ただし……外観上でポイントとなる部分にアルマイト仕上げのアルミ製ボルトに変更したり、エンジンのヘッドボルトをクローム製ボルトの新品で組んでみたり、なんていうのは通っぽくて筆者は好きです。