ハーレーから250ccモデルが登場するらしい!

先日、ハーレーの電動バイク「LiveWire」についてご紹介しましたね。それは2018年7月30日にハーレー本社が発表したプレスリリース”HARLEY-DAVIDSON ACCELERATES STRATEGY TO BUILD NEXT GENERATION OF RIDERS GLOBALLY”をベースに、同車の概要と登場した背景をご紹介したものでした。
ハーレーはラインアップを大幅拡大する!
それは変化の激しいグローバルマーケットにおいて、2027年まで、ハーレーはどうして行きますかね、ということを検討した結果の一つとして……
New Products – keep current riders engaged and inspire new riders by extending heavyweight leadership and unlocking new markets and segments
という作戦を立てたと書いております。簡単に申しますと……今のお客さんはガッチリ確保、大排気量車ではリーダーシップをとりつつ、新しい市場とセグメントに挑戦する、って感じでしょうか。新しい市場というのはグローバルマーケットについての言及だと思われますが、セグメントが何を意味するのでしょうか?直訳すると区分に当たるわけですが、乗用車の世界でセグメントといえば、ザックリ言うと排気量区分として使われています。ということで先のリリース内の一文は、新たな排気量区分へのチャレンジ表明と受け止められるのであります。
更に読み進めますと……
- Introducing a new modular 500cc to 1250cc middleweight platform of motorcycles that spans three distinct product spaces and four displacements, starting with the company’s first Adventure Touring motorcycle, the Harley-Davidson™ Pan America™ 1250, a 1250cc Custom model and a 975cc Streetfightermodel, all of which are planned to launch beginning in 2020. Additional models to broaden coverage in these product spaces will follow through 2022.
あ、ごめんなさい、思い切り書いていましたね! 500~1,250ccのミドルウェイトモデルをプラットフォーム展開する、ということですね。
1,250ccのアドベンチャーツーリング・モーターサイクルというのは「Pan America™ 1250」ですね。画像も公開されています。
そして1,250ccのカスタムモデルというのは……
コチラの画像が公開されています。
他に、975ccのストリートファイター・モデルのリリースを予定しているそうです。で、それら全ては2020年初までに発表予定であり、ここに記載のないモデルも2022年にかけて順次発表する、ということです。
BMWモトラッドの「R nineT」シリーズ、ドゥカティの「スクランブラー」シリーズみたいなプラットフォーム展開ですから、プラットフォームの出来が良ければ、ハーレー人気が再燃するかも知れませんね。
小排気量モデルも発売予定!
更に先のリリースを読み進めますと……
Developing a more accessible, small-displacement (250cc to 500cc) motorcycle for Asia emerging markets through a planned strategic alliance with a manufacturer in Asia. This new product and broader distribution is intended to fuel Harley-Davidson’s customer access and growth in India, one of the largest, fastest growing markets in the world, and other Asia markets.
おお、250~500ccクラスのモデルを、アジアメーカーとのアライアンスにより、拡大しているアジアマーケット向けに供給する、との記載がありました。

BMWモトラッド「G 310 R」

TVS「Apache 310 RR」
コレは早い話、BMWモトラッド「G 310 R」がインドのTVSからのOEMであるのと同じように、アジアの誰かさんに製造させてハーレーの名前でアジアンに売り飛ばしちゃいましょう、という企画です。そしてリリースにインドという具体的な地名が出てきていることから、そのOEM先を想像しておくと面白いですね。
ハーレーは過去にも小排気量モデルを生産していた!
さて、意地の悪い書き方を改めまして、過去のハーレーを遡ってみますと……ご存知の方も少なくないと思いますが、実はハーレーは1940年代終盤から1970年代に掛けて、少なくない小排気量モデルを販売していました。
特に有名なのは……「ハマー」という2ストローク125ccモデル。BSA「BANTAM」とほぼ同じく、第二次世界大戦を勝利した西側諸国は敗戦国の優れた製品をコピーして売りまくった黒歴史があるわけですが、「ハマー」はその1台です。元ネタは旧東ドイツのDKW「RT125」です。
そしてもう一台は、北イタリアはヴァレーゼのモーターサイクルメーカーであるアエルマッキ社を買収して製造させた4ストローク単気筒OHVエンジン搭載のロードモデルとスクランブラー。このアエルマッキというのは実に素性の良いモーターサイクルでした。プライベーターが戦えていた60年代のヨーロッパの国内ロード選手権において、イギリスはノートン「マンクス」と共に、と言ったら言い過ぎですが……それでも健気に活躍していたのです。そんなアエルマッキ製品たちですが……日本から大量に安価なモデルが続々とリリースされた結果、生産終了となった歴史があるのです。
ということで、今回は長くなりましたが、ハーレーの小排気量モデルについてご紹介してみました!