ほとんど知られていない幻のハーレー「NOVA PROJECT」

投稿日:2019-04-01

ハーレーと言えば唯我独尊。大排気量の空冷Vツインエンジンにコダワリを持ったメーカーという印象が強いのですが……実は案外そうでもなくて、良いものはチャッカリ取り入れたり、儲かりそうならば会社ごと買ってしまったり(今風に言うとM&A)と、まぁ普通の会社なんですよね。

そんなハーレーが、とある会社と共同で進めていたNOVA PROJECTをご紹介してみましょう!

 

V-RODのエンジンはポルシェとのコラボ!

他社との協業としては、最近の例では、何と言ってもV-RODこと「VRSC」シリーズを挙げることができましょう。2002年に新登場したのは、ハーレー初の水冷Vツインエンジンを搭載していました。

2016年の生産分を持って販売が終了してしまったわけですが、この近未来的なフォルムとパワフルなエンジンが、今なおファンを惹き付けて止まないわけです。

 

で、その水冷Vツインエンジンというのが、ハーレーとポルシェとの共同開発だったわけです。両社で水冷V型4気筒DOHCエンジンを開発。それをベースにツイン化したのが、「VRSC」の水冷V4DOHCエンジンなのでした。

本エンジンは、レボリューションエンジンと呼ばれています。筆者が確認したわけではありませんが、エンジンパーツの一部にポルシェの文字があるとか無いとか……

 

NOVA PROJECT もポルシェとの共同開発!

さて、そんなワケで本題。「NOVA PROJECT」でございます。それが何かという前に、まずは車両をご覧いただきましょう!

ちょっとした黒歴史なので広報写真はありませんが……

 

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それがコチラ!コードネーム「NOVA」、いわゆる「NOVA PROJECT」と呼ばれるプランに基づいて制作されたプロトタイプモデルなのです。

 

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このように、ハーレーダビッドソン・ミュージアムに展示されております。

で、コレがなんと、水冷V4エンジンを搭載しておりまして、あたかもV-ROD(エンジンの基となった水冷V4エンジン)のご先祖のようでもあるのです。

この「NOVA」の開発が開始されたのは、ハーレーが経営難に苦しんでいた70年代、1976年のこと。エボリューションとスポスタのエンジン開発に人とお金を注ぎ込まねばならず、残念ながら途中で自社開発を諦め、エンジン開発はポルシェの技術提供を受ける形を選んだのでした。

 

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ちなみに車体はハーレー側で開発を進めたそうです。

 

NOVA PROJECT は何故、失敗に終わったのか?

さて、ここまでのお話は、ハーレー専門誌などで読んだことがあるかと思います。が、そこから先は……大変申し訳ありませんが、以前、洋書で読んだ記憶しかありませんが……そんなアヤフヤな情報だと思って、以下記しておきまっす。

それでですね、確か「NOVA」はシリーズ展開を想定して設計が進められていたはずで、V4だけでなく、V2、V6なんかが考えられていました。それから、水冷V4エンジンであるはずですが、ラジエーターはシート下に装備されていたように記憶しています。アヤフヤですけど、そこは驚いた記憶があるので、間違いないはずです。

ということで、当時としては斬新な水冷V4エンジンを搭載した「NOVA」でしたが、残念ながら商品化には至りませんでした。その理由は……すみません……よく覚えていないです。確か、AMFの経営陣が翻意した、とか、そういった理由だったように思います。

今度ミルウォーキーの博物館に行ったら、調べてきます!

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