ABSにCBS、コンバインドABS……危険から命を守ってくれるブレーキシステム!

投稿日:2019-07-09

皆さん、ABSやCBSって他人に説明できますか?筆者は……「そんなモン、ワシが若い頃には無かった装備だから、ちょっと待って!」と言ってGoogleさんに聞いてから説明しています(笑)

というわけで今回は、最近のモーターサイクルには当たり前のように搭載されている、ABSやCBSといった安全装置についてのお話です。

 

ABSはAntilock Brake Systemの頭文字!

まずはABSから。これは流石に筆者でも知っています。Antilock Brake Systemの頭文字をとったもの。急ブレーキを掛けたときや、低ミュー路面でのブレーキ時に、ツツーッと行ってしまうのを防ぐための装置でございます。近年ではハーレーでも搭載されています。導入が遅れていた我が日本でも、ニューモデルは2018年10月発売のモデルから、継続生産車であっても2021年10月以降からは、ABSの装備が義務となります。

それでですね、何故ABSが二輪で必要なのかと申しますと……二輪の場合、ロックしてツツーっと行ってしまうと、もちろん制動距離が伸びるのですが、それだけでなく、転倒してしまうからなのであります。

その仕組みは、と申しますと……前後ホイールにセンサーを搭載しておきまして、そこから受け取る回転信号をECUが瞬時に解析します。つまり、ツツーっとなる瞬間にブレーキを緩める、という作業を、バイク自身がブレーキの油圧系を最適に制御することで行ってくれると、そういう仕組みになります。

 

CBSはCombined Brake Systemの頭文字!

続いてはCBS。これはCombined Brake System の頭文字になります。日本語にすると、前後輪連動ブレーキとなります。コチラはホンダさんが詳しく説明してくれていますので、それを転載させて頂きますと……

左レバー(後輪ブレーキ)を握るだけで、操作状況や車輪速度に応じた前・後輪ブレーキの適正な制動力配分を発生させるCBS機構。後輪ブレーキには、ライダーが左レバー(後輪ブレーキ)を握った力がケーブルを介してそのまま伝えられます。その際、左レバー(後輪ブレーキ)操作状態をケーブルダンパー内の荷重スイッチとアクチュエータ内のストロークセンサーが確認。そのスイッチとストロークセンサーからのデータでECUが適正な前輪制動力を演算し、適正に前輪制動力が発生するようにアクチュエータを駆動します。さらに走行速度や後輪ブレーキのアジャスト状態に対応した補正も行い、リニアリティを確保しています。

ということで、レバー操作状態を、ケーブルダンパー内の荷重スイッチとアクチュエータ内のストロークセンサーが確認してECUで演算し制御する、というのがCBSなのであります。

 

コンバインドABSはホンダが開発!

続いては、コンバインドABS。だんだん難しくなってきましたが……これはホンダが世界に先んじて開発したシステムのこと。ホンダの電子制御式コンバインドABSとは、「CBS(前後輪連動ブレーキ)」と「ABS(アンチロックブレーキシステム)」とを、一つのシステムに統合した独自のバイク用先進ブレーキシステムなのであります。

 

ABSの作動原理は……前後輪に搭載した車輪速センサーにより前輪側のロックを検知すると、モジュレーター内にある油圧ライン上のバルブを開閉することによってフロントキャリパーの圧力を調整して、フロントタイヤの回転速度を回復。後輪のロックを検知した際には、リアキャリパーの圧力を調整し、リアタイヤの回転速度を回復させます。

CBSの作動原理は……フロント側は、ブレーキフロントブレーキのマスターシリンダーからの圧力で、フロントキャリパーにある上と下のピストンを加圧。またフロントブレーキのマスターシリンダーからの圧力をセンサーで検知し、電気信号としてECUに伝えて、ABSモジュレーター内のポンプを駆動。ポンプで発生させた油圧がリアキャリパーに伝えられることで、前後輪連動ブレーキとして作動します。リアブレーキ側は、リアブレーキのマスターシリンダーからの圧力の前後バランスを、モジュレーター内部で制御した後、フロントキャリパーの中央のピストンとリアキャリパーに伝えることで、前後輪連動ブレーキとして作動します。

という非常に複雑、しかし、お利口さんなシステムなのです。

 

参考-ホンダ,HDJ
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