なぜスポーツスターは右ドライブ右排気なのか?

世の中には色々なモーターサイクルがあるわけですが、パッと見る限り、概ねその構造は同じでして……フレームがエンジンを抱えていて、車体の前後にホイールがあって、前後にサスペンションを装備しています。唯一無二の存在であるハーレーとて同じこと。なのですが……よくよく見ると、この車両の仕組みはチョット違う、ということに気付きます。
今回は、そんなチョット違うの一例として、「なぜスポーツスターは右ドライブ右排気なのか?」と題して、お届けしてみます。
スポーツスターは右ドライブ右排気だ!
コチラが、今売られている新車のスポーツスター。具体的には「IRON 883」でございます。極めてシンプル、しかし実にお美しい姿であります。
さて、この「IRON 883」に代表されるスポーツスターは、右ドライブ右排気なのであります。現行のスポーツスターは二次減速にベルトドライブが採用されていますが、その二次減速の機構一式が車体右側に搭載されていて、その同じ右側に排気系が配されていると、そういうことです。
それが何の事やら、という方のために、ビッグツインの代表格として、FXBBことストリートボブをご覧いただきますと……
あら不思議!二次減速は左側に、排気系は右側に配置されているのであります。
スポーツスターはご先祖も右ドライブ右排気!
それでは、何時からスポーツスターは右ドライブ右排気だったのか、というところから見て行きたいのですが、それは初代を見てみれば一目瞭然。こちらが最初のスポーツスター、1957年式でございます。
それがまた、見事な右ドライブ右排気なのであります。
ビッグツイン系は昔から左ドライブ右排気!
対しまして……1936年式のナックル。名車の誉れ高いELは……ご覧のように左ドライブ右排気でございます。
スポーツスターが右ドライブ右排気の理由とは……
さてさて、初代スポーツスターは右ドライブ右排気でしたが、そのご先祖にあたるWLは、どうだったのでしょうか?ちなみにWLというのはベビーツインとも呼ばれるサイドバルブモデルでありまして、このエンジンがベースとなってスポーツスターのエンジンが生まれたと言われています。
その結果は……WLも右ドライブ右排気なのです。なお、WLと同時代に発売されていた大排気量サイドバルブモデルのULなんかは左ドライブ右排気。これがビッグツインに引き継がれて行ったのではないかと思われます。
ということで筆者が出した結論は……スポーツスターが右ドライブ右排気なのは、昔からそうだったから、です。ちなみに、右ドライブの理由として、別体だったトランスミッションを一体化するスペースがなかった、であるとか言われています。
正確な情報をお持ちの方がいらっしゃいましたら、コメントして頂けたら嬉しいです!