【マニアックの境地】君はボートテールを知っているか!?

ハーレーに関するマニアックな情報を細々とお届けしている【マニアックの境地】ですが、今回もなかなか、なレア情報をお届けしましょう。それが「ボートテール」であります。
boat tailとは、直訳すればボートの尻尾、となりますが、それは一体どんな意味なんでしょうか?
ボートテールとは、ボートの船首みたいなテールのこと!
ボートテールの形状こそ知っていても、その語源は何か……と聞かれると困ってしまう方が多数派ではないでしょうか?実は、ボートテールとは1920~30年代のアメリカ車(自動車)、特にロードスターモデルで流行したリヤ周辺のデザイン処理が、もともとのボートテール。それは、ボートの船首みたいだからボートテール、ということだったのです。このボートテールを採用したロードスターは以降、現れては消え、を繰り返しつつも、一つのデザインとして定着して行きました。(今はまた消えていますが……)
ボートの船首みたいなデザインって何か、というと……特に定義みたいなものはありませんが、それはボートを裏表にひっくり返して前から見た形に似ている、といった感じ。Googleさんでboat tailで画像検索してみると、色々と出てきます。
ボートテールはスポーツスターやFXに採用された!
で……このボートテールが最初に採用されたのは、スポーツスターでありました。スポーツスターといえば……
当時はこんな感じで……ショベルエンジンを搭載しておりますが、まだフロントブレーキがドラム式だったり、ヘッドライトナセルを搭載していたりと、かなり旧モデルの特徴を色濃く残していました。
このスポーツスターに1970年にオプション採用されたのがボートテール。生産性が悪く、デザイン的にも不格好であるとして不評。翌71年にも継続採用されましたが、あえなく撃沈。あっという間に終売になってしまった、平たく言えば、駄作であります。
が……マニアックの境地に取り上げられるだけの理由はありまして、ただの駄作ではないのです。そのデザイナーが、あのWillie G。ハーレー・ダビッドソンのデザイン部門で5年以上勤務した後、ウィリーG.デビッドソンが1969年にスタイリング担当の副社長に昇進。そして手掛けた入魂の作……それがボートテールなのです。
で、そんなボートテールですが、FX系にも採用されたりと、手は尽くされたようですが、その後どうなったかは歴史が証明しておりまして……今ほとんど見かけないですよね……駄目だったのでした。当時は不人気で、オプション採用される数も極めて少なかったようです。
が、それが逆に希少価値を高めることとなり、数年前にはそのお値段は高騰していました!
アメリカのThe National Motorcycle Museumにもボートテールを搭載したスポーツスターの実車が展示されておりまして、その詳細も記載されています。ご興味を持たれた方は、是非、記事末尾のリンクから覗いてみてください!