【不朽の名作エンジン】〜Revolution Max編〜

投稿日:2024-07-12

ハーレーといえば空冷大排気量Vツインエンジン、というのは、いつか過去の話になるのかもしれません。

ハーレー初のアドベンチャースポーツモデル「パンアメリカ1250」シリーズと、新世代のスポーツスターである「スポーツスターS」が搭載する水冷の「Revolution Max(レボリューションマックス)」が登場しているからです。

今回は、2021年モデル「パンアメリカ」に搭載されたハーレーが久しぶりに新開発した最新エンジン「レボリューションマックス」をご紹介していきます。

 

レボリューションマックスは完全新設計の水冷エンジン!

MY17 107 Engine. Milwaukee Eight.

前回ご紹介したのは、ビッグツインが搭載する現行エンジンである「ミルウォーキーエイト」でした。それは1カムに先祖返りしつつも、8バルブ化・ツインプラグ化・バランサー搭載・(実質的には)ヘッドを油冷とするなど、現在の主流となっている技術をふんだんに取り入れた意欲作でした。

【不朽の名作エンジン】〜ミルウォーキーエイト編〜

 

 

今回ご紹介するのは「レボリューションマックス」です。2021年モデルの「パンアメリカ1250」に搭載されています。

私たち一般ライダーは「水冷」であることに注目しますが、開発を担当したチーフエンジニアは「パフォーマンスの向上と軽量化」を目指した結果が、この「レボリューションマックス」=水冷エンジンであったと語っています。一方で、プレスリリースには水冷方式が騒音対策にも効果的であることがうたわれていました。

「レボリューションマックス」の排気量は1,250ccでボア×ストロークは105×72mm。最高出力は150hp、最大トルクは94ft-lbs / 9,500rpm、圧縮比は13.0です。

 

レボリューションマックスの構造

「レボリューションマックス」のシリンダー挟角は60度です。そして特徴となった水冷方式に関しては、クーラント通路に工夫が施されています。重量を減らしつつエンジン幅を減らすため、クーラント通路がステータカバーに統合されています。

続いてクランクシャフトですが、コネクティングロッドジャーナルは30度オフセットされています。これにより90度の点火順序となり、特に高回転域でスムーズな出力供給が実現します。

このクランクシャフトに対応するため、シリンダーもわずかにオフセットされています。具体的には、リアシリンダーがクランクケースのライダーの左側に配置されています。

そのほか、鍛造アルミ製ピストンの採用、DOHC4バルブの採用、コンピューター制御による可変バルブタイミング(VVT)の採用、ツインプラグの採用など、ハーレーが開発したエンジンの中で最も進歩的な機構が与えられています。

現在のラインアップには「レボリューションマックス」はアドベンチャースポーツとスポーツモデルにしか搭載されていません。2025年モデルではどの様な変化が訪れるのでしょうか。実に楽しみですね。

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