バイクで起こる〇〇現象~コリジョンコース現象

投稿日:2025-03-21

本コラムでは「バイクで起こる〇〇現象」をシリーズ化して紹介していますが、今回は「コリジョンコース現象」について解説します。

あまり聞きなれない現象かもしれませんが、特に北海道などにツーリングに行く方は、知っておいていただきたい現象です。

 

コリジョンコース現象は見通しの良い場所で起こる!

コリジョンコース現象の「コリジョン」とは、衝突のことです。そのため、コリジョンコース現象を直訳すると「衝突一直線現象」となります。

どのような現象かというと、見通しの良い一直線の道路や交差点で起こる現象です。前方からくる車両が背景と一体化してしまい、実際には前方から車両が迫っているにもかかわらず、「停車しているもの」と誤認したまま接近してしまいます。そして、対向車が見えているにもかかわらず、最後まで相手に気づかないまま交差点に進入して衝突してしまうのです。

人間の目は、動いているものに比べて停止しているものを見つけにくいという特性があります。この特性が原因で、コリジョンコース現象は起こります。コリジョンコース現象による交通事故は多数発生しており、北海道の十勝地方で多発したことから、十勝型事故、あるいは田園型事故とも呼ばれます。

もちろん、似たような地理条件を持つ地域、すなわち見通しの良い直線道路では、同様の事故が発生する危険性があります。また、ライダー・ドライバーの不注意というよりも、人間の性質が原因であるため、この発生を社会的に食い止めようと、当該地域では道路施設に様々な工夫が凝らされています。

 

コリジョンコース現象の対策

コリジョンコース現象を防ぐべく、例えば、止まれの路面標示を設置して事故多発交差点に進入するライダー・ドライバーを停止させることで、事故を防いでいます。

また、交差点に向かって道路幅が狭まるように錯覚させるゼブラ模様のペイントを施して注意を促したり、反射材が組み込まれた道路鋲の設置、道路幅を狭めるようにポールを設置することにより、車両を一時停止させたり減速させたりすることで、事故防止を図っています。

 

ライダーができるコリジョンコース現象対策

誤認については、人間の性質が関わるため、対策が難しいです。一方で、被視認性を高めることで、相手方の注意を引くことはできるかもしれません。

明るい服装で、ライトをオンにして走行することで、対向車はあなたの存在をより強く認識してくれるでしょう。

また、見通しの良い一本道を走行する際、「コリジョンコース現象が起こるかもしれない!」と予期しておくだけでも、ライダー側から衝突を避ける動きができるかもしれません。ぜひ、覚えておいてください!

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