【チューニングの疑問】フルコンとサブコンの違いを2分で学ぶ
2007年頃、ハーレーの新車にインジェクションが採用されました。それにより、チューニングやセッティングを行う上でコンピューターチューニングが必須となり、「フルコン」「サブコン」「フラッシュチューニング」といった言葉を耳にするようになりました。
そこで今回は、「フルコン」と「サブコン」の違いを簡潔に説明しつつ、当店おすすめの商品をご紹介いたします。
「フルコン」・「サブコン」・「フラッシュチューニング」とは
ハーレーのエンジン性能を向上させる手法としては、吸気系(インジェクション)、排気系(マフラー)、エンジン本体の変更などが挙げられます。これらの変更に伴い、最適な混合気比率も変化するため、それに合わせて行うのがコンピューターチューニングです。コンピューターチューニングが必要となるのは、インジェクション搭載車です。
インジェクションシステム搭載車は、車両各部に搭載されたセンサーの情報から最適な空燃比を算出し、燃料を噴射しています。そのため、この算出を行うコンピューターをチューニングする必要が出てくるのです。
コンピューターチューニングには、大きく分けて「フルコン」「サブコン」、そしてノーマルコンピューターの「フラッシュチューニング」という3つの方法があります。それぞれに特徴や向き不向きがあり、どの手法を選ぶかは車両のカスタム内容や使用方法によって異なります。
「フルコン」は社外製ECUに交換する方法
まず「フルコン」とは、純正ECUを取り外して、社外製のフル機能を持つECUに交換する方法です。最大の利点は制御の自由度にあります。燃料噴射、点火時期、スロットル制御に至るまで、純正の制約に縛られずに設定を追い込むことができます。
そのため、ボアアップやハイカム化、さらにはターボやスーパーチャージャーといった大幅なエンジンチューンにも対応可能です。ただし、導入コストは高く、純正センサーや診断機との互換性に不具合が生じるリスクもあります。また、ディーラーでの整備や車検が難しくなる場合が多く、セッティングにも高度な知識や設備が求められるため、一般ユーザーよりはレースやヘビーなカスタムを目指すユーザー向けと言えます。
「サブコン」は純正ECUへの追加モジュール
次に「サブコン」とは、純正ECUを残したまま、追加のコントローラーを割り込ませる方式です。純正の枠組みを生かしながら燃料噴射や点火を補正できるため、マフラー交換やエアクリーナー交換といったライトなカスタムで空燃比を整えるのに適しています。
装着も比較的容易で、フルコンよりも安価である点も魅力です。ただし、補正できる範囲は限られており、重度のエンジンチューンには不十分です。さらに、純正ECUとサブコンの二重管理となるため、不具合が起きた際の診断が複雑になるという弱点も抱えています。
「フラッシュチューニング」が近年の主流!
近年主流になっているのが、ノーマルコンピューターを「フラッシュチューニング」、つまり書き換える方法です。これは純正ECUを書き換えて燃調や点火、スロットル制御などを調整するもので、サブコンよりも広い範囲の補正が可能でありながら、純正ECUを使用するため診断機や車検との相性が良いのが特徴です。「フルコン」と比較して、純正品をそのまま使用するため信頼性が高い点、また比較的低コストでチューニングできる点もメリットです。
ただし、一度書き換えると純正状態に戻すためには元データのバックアップが必要です。また、純正ECUの枠組みを超えるような過激なチューンには対応が難しく、自由度の面ではフルコンに及びません。
総じて言えば、「フルコン」はレースや大排気量化など徹底的なチューンを狙うユーザーに適しており、「サブコン」は手軽に補正したいライトカスタムユーザーに向き、「フラッシュチューニング」はストリートユースでのバランスに優れた選択肢と言えるでしょう。
インジェクターチューニングボルト T-2
品番:GSC-016
メーカー:AUTHENTIC MARKET
価格:¥2,200(税込)
ネジサイズ:M5-P0.8、長さ25mm
最後に、オススメの製品をご紹介!「インジェクターチューニングボルト」、通称「魔法のネジ」です。
既存のネジと付け替えるだけで、スムースな加速、燃費の向上などの効果が得られる一見不思議なパーツですが、その役割は「静電気の除去」です。ネジ先端の突起が静電気を放電することで、インジェクターからエンジンまでの混合気がスムーズに流れるようになり、燃焼効率が向上するそうです。キャブレター車にも有効ですが、インジェクション車の方がより体感しやすい傾向にあります。
車種により取り付け位置でも効果が変わるため、さまざまな方法でお試しください。締め付けは外側のナットではなく、ヘックスレンチを使用してネジ本体を締め付けてご使用ください。1個売りです。
2008年以降のツーリングモデル(電子スロットル)に適合します。取り付けは左側ホーンブラケットの内側のネジと交換してください。


