バイクで起こる〇〇現象~2次エア

バイクで起こる〇〇現象シリーズ、今回は「2次エア」について、その症状・原因・対策を解説します。
「2次エア」は、バイクにすぐに大きなダメージを与えるものではありませんが、エンジンの調子を少しずつ悪化させます。もし症状に心当たりがあれば、早めに対策しましょう。
そもそも2次エアとは?
2次エアとは、「本来吸い込むべきではない箇所から、エンジンが余分な空気を吸ってしまう現象」のことです。
ご存知のとおり、エンジンはピストンが下がる力(負圧)を利用して、キャブレターからガソリンを吸い出し、空気と混ぜて「混合気」を作ります。2次エアが発生すると、この混合気に余分な空気が混ざってしまい、ガソリンの濃度が薄くなってしまいます。
これが2次エアの症状!
2次エアが発生すると、エンジンが不調に陥ります。具体的には、以下のような症状が現れます。
・ エンジンの始動不良
・アイドリング不良
・エンジン回転が上がらない
・高回転域で息つきを起こす
といった症状が起こります。
ただし、注意していただきたいのは、これらの症状があるからといって、必ずしも2次エアが原因とは断定できない点です。例えば、バッテリーの充電不足や点火プラグの劣化、キャブレターの不具合などでも、同様の症状が発生することがあります。
以下に2次エアの主な原因と対策を解説しますので、思い当たる方はぜひチェックしてみてください。
2次エアが発生する原因と対策
では、2次エアの原因となる余分な空気は、どこから侵入するのでしょうか。主な侵入経路は、以下の2つです。
・インテークマニホールド
・吸気側のガスケット
インテークマニホールドは、キャブレターとエンジンを繋ぐゴム製の部品です。これが2次エアの最も多い原因と言えます。ゴム部品は経年劣化しやすいため、長期間の使用によって硬化したり、ひび割れが生じたりします。その亀裂から空気を吸い込んでしまうのです。
もう一つの原因である吸気側のガスケットは、経年劣化もしますが、それ以上にDIYメンテナンス時の作業不備が原因となりやすい箇所です。ボルトの締め付け不足や、締め付けトルクが不均一な場合、その隙間から空気が入り込んでしまいます。
2次エアの確認と対策は意外と簡単です
最後に、2次エアが発生した際の対策について解説します。
対策は非常にシンプルで、原因として挙げた2つのパーツ(インテークマニホールド、ガスケット)を確認し、問題のある部品を新品に交換、または正しく装着し直すことです。
対策作業そのものは比較的簡単ですが、エンジンの始動不良といった症状から「原因は2次エアだ」と特定するのが、案外難しいかもしれません。
キャブレターをフルオーバーホールしたり、バッテリーを新品に交換したりする前に、まずはインテークマニホールドを覗いてみましょう。もし、ここにひび割れがあれば、2次エアが原因である可能性が高いです。