【タイヤの基礎】タイヤの種類や表記の見方を詳しく紹介!

投稿日:2025-10-17

ベテランのバイカーほど、タイヤに気を配るものです。なぜなら、タイヤは一見地味な存在でありながら、燃費や乗り心地、安全性といったハーレーの性能を陰から支える、非常に重要なパーツだからです。

今回は【タイヤの基礎】と題して、タイヤの種類や表記の見方について詳しくご紹介します。

 

タイヤの種類はラジアルとバイアス

ハーレーで使用されるタイヤは、内部構造の違いによって、大きく「ラジアルタイヤ」と「バイアスタイヤ」の2種類に分けられます。それぞれの特徴を理解することが、最適なタイヤ選びの第一歩です。

 

ラジアルタイヤのメリット・デメリット

ラジアルタイヤとは、カーカス(タイヤの骨格)のコードがタイヤの進行方向に対して垂直に配置され、さらにベルトでトレッド面(路面との接地面)を補強しているタイプのタイヤです。

■ラジアルタイヤのメリット

  • 路面への接地性が高く、高速走行時の乗り心地や安定性に優れている
  • 耐摩耗性が高く、比較的グリップ性能も高い
  • スリップや発熱が少なく、高い駆動力と耐久性を持つ

■ラジアルタイヤのデメリット

  • バイアスタイヤよりも価格が高い傾向にある

これらの特徴から、ラジアルタイヤは高性能・高価格なタイヤと言えます。そのため、ハイパワーな車両での高速走行や、サーキットなどでのスポーツ走行をメインとするスーパースポーツモデルなどに適しています。

 

バイアスタイヤのメリット・デメリット

バイアスタイヤとは、カーカスのコードがタイヤの進行方向に対して斜め(バイアス)に重ねて配置されているタイヤです。

ラジアルタイヤが高性能・高価格である一方、バイアスタイヤにメリットはないのでしょうか。もちろん、そんなことはありません。

■バイアスタイヤのメリット

  • タイヤ全体がしなやかに変形して衝撃を吸収するため、特に低速域での乗り心地が良い
  • ラジアルタイヤに比べて構造がシンプルなため、安価である

特に乗り心地を重視して、あえてバイアスタイヤを選ぶバイカーも少なくありません。

■バイアスタイヤのデメリット

  • 高速走行にはあまり適していない
  • グリップ力や寿命の面ではラジアルタイヤに劣る

こうした特徴から、バイアスタイヤはハーレーの多くのモデルをはじめ、オフロードバイクやネオクラシックモデル、そして機能性よりも価格を重視する小排気量クラスのバイクに採用される傾向があります。

 

タイヤ表の読み方

次に、タイヤの側面(サイドウォール)に刻印された、数字とアルファベットの表記の読み方について解説します。この文字列が、タイヤのサイズや性能を表しています。

ただし、メーカーによって表記がわずかに異なる場合や、同じメーカーでもタイヤ幅をミリ(mm)とインチ(in)で使い分ける場合があります。それを踏まえた上で、ここでは一般的な表記を例に説明します。

 

 ■サイズ表記の基本構造(例:130/90B16 73H)

  • 130:タイヤの幅をミリ(mm)で表します。この場合はタイヤ幅が130mmです

  • 90:扁平率(へんぺいりつ)を%で表します。タイヤの幅に対する高さの比率で、この場合は幅の90%の高さがあることを意味します

  • B:タイヤの構造を示します。「B」はベルト入りバイアスタイヤ、「R」はラジアルタイヤ、表記なしの場合はバイアスタイヤを意味します。ハーレーでは、独特の乗り味と耐久性を両立する「B(ベルトバイアス)」を純正採用している車種が多くあります

  • 16:リム径をインチで表します。16インチのホイールに適合するという意味です

  • 73:ロードインデックス(負荷能力)を表します。タイヤ1本で支えられる最大負荷を示す数値で、「73」の場合は365kgまで対応可能であることを意味します

  • H:速度記号(スピードレンジ)を表します。そのタイヤが走行可能な最高速度を示し、「H」の場合は最高速度210km/hまで対応していることを意味します

 

古いハーレーに見られる「インチ表記」

ショベルヘッドやエボリューション時代のハーレー純正タイヤでは、「MT90-16」や「MU85B16」といったインチ表記もよく見られます。

この場合の読み方は以下の通りです。

  • M:モーターサイクル用

  • TやU:タイヤ幅のカテゴリー(T=130mm相当、U=140mm相当)

  • 90や85:扁平率

  • B16:ベルトバイアス構造の16インチリム用

という意味です。数字表記に比べてやや感覚的ではありますが、慣れるとこちらの方が古き良きアメリカンらしく感じる方も多いでしょう。

 

オンロードタイヤとオフロードタイヤの違い

次に、オンロード用とオフロード用のタイヤの違いについて説明します。見た目だけでなく、性能に関わる根本的な違いを知っておくと、よりタイヤ選びが楽しくなるでしょう。

 

トレッドパターンが違う

誰が見ても分かりやすいのが、タイヤ表面の「溝の形」、つまりトレッドパターンの違いです。

  • オンロードタイヤ:舗装路でのグリップを重視するため、路面との接地面積を広く取っています。雨天時の排水性を確保するための溝が刻まれており、タイヤ表面は比較的滑らかで静粛性にも優れます
  • オフロードタイヤ:泥や砂を効率よくかき出すために、ブロック状の深い溝を備えています。ブロック間の空間が路面を「噛む」ように機能するのが特徴です。ただし、舗装路では接地面積が減るためグリップ力が弱く、摩耗も早くなります

 

コンパウンド(ゴムの硬さ)が違う!

タイヤに使用されるゴムの硬さ(コンパウンド)も異なります。

  • オンロードタイヤ:ハーレーを含むクルーザータイプの多くは、乗り心地とコストを重視し、長年バイアスタイヤを純正採用してきました。近年では一部モデルでラジアルタイヤも採用されています。一方、高性能なスポーツモデルでは、基本的にラジアルタイヤが標準です。
  • オフロードタイヤ:石や木の根といった不整地に対応するため、柔らかめのコンパウンドが多く使われます。これにより、低速でのグリップ力を確保しています。半面、舗装路では摩耗が激しく、ブロックが早く削れてしまうことがあります

 

構造(バイアス/ラジアル)が違う!

これまで見てきた内部構造の使い分けにも違いがあります。

  • オンロードタイヤ:高速走行時の発熱と摩擦に強い、やや硬めのコンパウンドを採用しています。そのため長距離を走行しても摩耗しにくく、安定した走行が可能です
  • オフロードタイヤ:岩場などでタイヤが柔軟に変形し、路面を「つかむ」ように走るため、サイドウォールが柔らかく作られています。軽量化や路面追従性を重視することから、バイアスタイヤが採用される場合が多くなります

 

プロファイル(断面形状)が違う

タイヤを正面から見たときの断面形状(プロファイル)も、用途によって異なります。

  • オンロードタイヤ:スムーズなコーナリングのため、断面が丸く設計されています。車体を傾けても接地面積の変化が少なく、安定したバンクが可能です。
  • オフロードタイヤ:直進時の駆動力(トラクション)を優先するため、比較的フラットな形状が多くなっています。これにより、泥道や砂利道での直進安定性が高く、急な凹凸でもふらつきにくくなっています

 

アドベンチャーモデルのタイヤは?

最近では、ハーレーの「パンアメリカ」のように、オンロードとオフロードの両方に対応する「アドベンチャー」モデルが人気です。それに伴い、アドベンチャー向けのタイヤも増えています。

これらのタイヤは、トレッドパターンはオフロード走行を視野に入れたブロック形状でありながら、コンパウンドや内部構造はオンロード性能も考慮して調整されています。1本のタイヤでロングツーリングから林道程度の未舗装路まで、幅広く対応できるのが特徴です。

 

おすすめのハーレー用タイヤ5選

最後に、当店ネットショップで取り扱っている製品の中から、おすすめのタイヤをご紹介します。ここまでの解説でサイズ表記もご理解いただけたかと思いますので、ご自身のハーレーに合うタイヤが選びやすくなっているはずです。

 

ADLERT アドラート SPEED-GT MT90-16 74P

品番: DC-001

メーカー:DURO

価格:¥20,409

サイズ(外径×幅×リムからの高さ):約656mm×約131mm×約107mm

適応リム幅:3.00

人気のDURO CLASSICに続いてリリースされたタイヤ。1977年以降のFXSローライダーやXLCRなどに採用された「グッドイヤー イーグル AT」をモチーフに製作しました。ショベルヘッドのFX系で当時の雰囲気を再現したい方や、チョッパー、クラシカルなカスタムにおすすめです。

※チューブタイヤです。タイヤ交換時は必ず新品のチューブをご使用ください。
※記載のサイズは装着時の実寸です(ホイールサイズ3.00×16、空気圧2.4kgf/cm2で計測)。

 

シンコー スーパーイーグル 5.00×16インチ ダブルリボン

品番: 5016-024-2270

メーカー:SHINKO

価格:¥31,680

タイヤ表記:5.00-16 69S(5.00×16インチ)

パンヘッド時代に純正採用されていた、グッドイヤー製スーパーイーグルのパターンを再現したレプリカタイヤです。クラシカルなパターンと、ファイアストーン同様にハイト(高さ)があるのが特徴。パンヘッドのレストアやカスタムはもちろん、チョッパーのリアやボバースタイルにも相性抜群です。フロント、リア共通で使用できます。

※チューブタイヤです。交換時は必ず新品のチューブをご使用ください。

 

HF-301A 3.00×21インチ DUROタイヤ

品番: 1100-3005

メーカー:DURO

価格:¥13,216

サイズ(外径×幅×リムからの高さ):約696mm×約85mm×約70mm

シンプルな縦溝パターンが特徴の21インチタイヤは、チョッパースタイルに欠かせないアイテムです。

※チューブタイヤです。タイヤ交換時は必ず新品のチューブをご使用ください。
※記載の寸法は、装着時の実寸です(ホイールサイズ2.15×21、空気圧2.4kgf/cm2で計測)。

 

WAVEWAY OVALMASTER RIB 3.00-21インチ タイヤ

品番: TW21

メーカー:R&U PRODUCTS

価格:¥25,850

タイヤサイズ:3.00-21インチ

適合リムサイズ:1.85-2.15インチ

往年の名作「GOODYEAR SPORT RIB」を復刻したタイヤで、チョッパーのフロントにおすすめです。GOODYEAR同様にハイトが高いのが特徴。オールドタイヤの雰囲気を踏襲しつつ、現代の道路事情に合わせて設計することで、高い性能を実現しています。EVO以降の重量がある車両でも安全に使用できるよう設計されており、速度記号は「S」(最高速度180km/h)、ロードインデックスは「51」(負荷能力195kg)です。

※WAVEWAYタイヤの製造は、韓国のSHINKO社へOEM委託しています。
※フロント用タイヤ、チューブタイヤです。


スピードインデックス:51S(180/195Kg)
構造:2PLY NYLON
フロント用タイヤ
チューブタイヤ(ご使用には必ずチューブが必要になります。)
生産国:韓国

 

ファイアストーン レーシング 2.75-21

品番: 74773

メーカー:COKER TIRE

価格:¥36,300

タイヤ表記:2.75-21 45S(直径約67cm)

縦溝のみのトラディショナルなパターンが特徴のレーシングタイヤです。細身で大径のタイヤは、クールなフロント周りを演出します。

※チューブタイプです。

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