バイクで起こる〇〇現象~グレア現象(蒸発現象)

投稿日:2025-10-21

夜のツーリング、良いですよね! 昼間よりも車が少なく、空気も澄んでいてとても気持ちが良いものです。ライトに照らされた道を走る開放感は、格別です。

しかし、夜間走行には「グレア現象(蒸発現象)」という厄介な落とし穴があります。今回は、このグレア現象についてご説明します。

 

グレア現象とは?

グレアとは、強い光を見たときに視界がぼやけたり、見えにくくなったりする現象のことです。特に夜間走行時に発生しやすく、対向車のライトやミラーに映る後続車のハイビームなどが原因となります。グレア現象が起こると、光が拡散して視界が全体的に白っぽくなり、非常に見えづらくなります。

例えば、前方に人がいてもライトの影響で見えにくく、発見が遅れることがあります。発見が遅れると、ブレーキやハンドル操作が遅れてしまい、わずかな遅れが大きな事故につながることもあります。

特に注意が必要なのは中高年のライダーです。年齢を重ねると水晶体が濁りやすくなり、光が散乱しやすくなるため、グレアを感じやすくなるのです。

 

グレア現象の原因

グレア現象の主な原因の一つは、他の車両のライトです。最近の車やバイクはLEDやHIDライトを採用していることが多く、従来のハロゲンライトよりも明るくなっています。ヘッドライトが明るいことは安全面でメリットがありますが、対向車や周囲の車両にとっては「眩しすぎて迷惑」と感じられる場合があります。特にLEDライトは、少し角度がずれるだけでも眩しさを感じやすいのが特徴です。ロービームに設定していても、光軸がずれていると対向車の視界に直接光が入り、これがグレア現象の原因となります。

もう一つの原因は、ご自身の目の状態です。先ほども触れたように、年齢を重ねると瞳孔の動きが鈍くなり、強い光に過剰に反応しやすくなります。若いバイカーであれば明るさの変化に素早く対応できますが、年齢とともに反応が遅くなります。

また、シールド、ゴーグル、メガネの汚れも要注意。これらが汚れてると光が乱反射してしまい、グレアが発生しやすくなるのです。夜に信号待ちしてるとき、対向車のライトがシールドに白く滲む……あれもグレア現象なのです。 また、シールドやゴーグル、眼鏡の汚れにも注意が必要です。これらが汚れていると、光が乱反射しやすくなり、グレアを感じやすくなります。夜間の信号待ちで対向車のライトがシールドに白く滲む…これもグレア現象の一例です。

 

グレア現象の対策方法

 先ほど説明した通り、グレアの原因は

・対向車や後続車のライト

・自分の目の状態

・シールド・ゴーグル・眼鏡の汚れ

の3つがあります。それぞれに対策を考えましょう。

最も簡単な対策は、視界をクリアに保つことです。シールド、ゴーグル、眼鏡はこまめに洗浄しましょう。特に内側の皮脂汚れは光を拡散しやすいので、注意が必要です。夜間走行の前に、軽く湿らせたマイクロファイバークロスで拭くだけでも、眩しさを大きく軽減できます。

次におすすめなのは、黄色系のナイトグラスや、眩しさ防止コーティング付きのレンズを使用することです。ナイトグラスはLEDライトの青白い光を和らげ、視界を見やすくしてくれます。ハーレーに乗る方であれば、薄い黄色のシールドも効果的です。

また、夜間はスピードを控えることも重要です。視界が悪くなる可能性が高いため、昼間よりもゆっくりと走行するよう意識しましょう。速度を抑えれば、万が一反応が遅れた際も対応できる可能性が高まります。

 

それでも眩しさを感じた際は、無理にライトを直視しないことが大切です。真正面から光を受けると、一瞬で視界が真っ白になってしまいます。そんなときは進行方向の左側、路肩の白線付近を見るようにしましょう。最初は難しく感じるかもしれませんが、意識して練習することが大切です。

最後に、周囲のためにもご自身のライトの光軸調整も忘れずに行いましょう。定期的に点検し、対向車のドライバーやライダーが眩しくないよう配慮することで、ご自身の視界も確保できます。

 

グレアに注意して安全に夜間走行を楽しもう

年齢を重ねるほど、若い頃よりも「夜が暗く感じる」と思う方が増えてきます。ライトは眩しいのに道が見えにくい……これは加齢による自然な変化です。

だからこそ、安全にハーレーの夜間ツーリングを楽しむための工夫が必要です。シールドやゴーグルをきれいに保つ、ライトの調整をする、少しだけスピードを落とす――これだけでも夜の安心感が大きく変わります。

グレア現象は完全に避けることはできませんが、対策を講じることでリスクは大きく減らせます。しっかりとグレア対策をして、夜間ツーリングを安全に楽しみましょう!

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