ハーレー純正フロントフォークの歴史を学ぶ

ハーレーは、あらゆるパーツを他車種や社外のパーツと交換してカスタムを楽しむには最高のバイクです。ハンドルやタンクはもちろんのこと、フロイントフォークをあれこれと交換しカスタムできるのもハーレーならではではないでしょうか。
今回はそんなハーレーの純正フロントフォークについて、どんなものがあるのか復習していきましょう。
基本は2種類
カスタムハーレーのフロントフォークをみると様々な形が存在しています。
サスペンション機能のない「リジットフォーク」から、「ガーター」「スプリンガー」「テレスコピック」などがあり、それぞれの幅を変えたものやオリジナルカスタムまで加えたら相当な種類になります。そもそもフロントフォークはバイクを走らせるうえでのサスペンション機能として、無くてはならないパーツです。ですので、純正ではサスペンション機能と剛性を重視されて進化を重ねています。1930年サイドバルブ以降のフロントフォークは、スプリンガーとテレスコピックの2種類が純正として採用されています。
スプリンガーの歴史
サイドバルブとして最初のモデルに採用されたのが「VLスプリンガー」。メインフレームが楕円形ではなく平たい形状なのですが、それでも以前のフォークに比べれば無垢材を使うなど強度アップが図られています。
半世紀以上前に作られたカタチですが、今でもチョッパーやボバースタイルなどオールドスクールなカスタムには欠かせないパーツとして人気です。
幅もナローなので細身でコンパクトなルックスに仕上がります。
進化して行くスプリンガー
1958年にパンヘッドのデュオグライドが出るまでは、リアにサスペンション機能を持たない”リジットフレーム”でしたので、フロントフォークに掛かるストレスはかなりのものでした。そこでもっと強度を上げようと作られたのが「74スプリンガー」です。
1936年から採用されましたが、これから現代にいたるまでメインフレームが楕円形になり、現在のスプリンガーまで受け継がれていきます。
その後は、油圧ダンパー機構が搭載されたモデルへと進化してしていきました。
その他にも「45スプリンガー」がありますが、カスタムフリークの間で人気があるのは「74スプリンガー」に「21インチホイール」というセットアップです。
現在にも受け継がれ、今もなお多くのファンがいるスプリンガー。その基本形はナックルヘッド時代に完成されていたのですから驚きです。
グライドフォークの登場
1949年パンヘッドに初めてテレスコピックが登場しますが、ハーレーではテレスコピックよりも「グライド」と呼んでいます。
ボトムケースの上もカバーが付きヘッドライトナセルと相まってどっしりとした見た目になりましたが、それこそがハーレー「FL」の特徴ともなりました。
ワイドとナロー
ショベルヘッド時代に入ると、FL以外にもFXシリーズが登場し、FXにはスポーツスターに使われていたフロントフォークが与えられました。
FLの幅が広いフォークを「ワイドグライド」、FXやXLの幅の狭いフォークを「ナローグライド」と呼ぶようになり、FXでもファクトリーチョッパーと呼ばれる「FXWG」だけはその名の通り、FXでワイドグライド(WG)が与えられました。ちなみに、ナローフォークにはインナーチューブのサイズがφ35とφ39があります。
またグライドフォークになって以降、簡単な作業(インナーチューブの長さを変える)でフォークの長さが変えられるので、ロングフォークも多く登場してきました。歴史の長いハーレーならではのフロントフォークの遍歴です。
いかがだったでしょうか。フロントフォーク一つとっても進化の歴史があります。ぜひ、愛車のハーレーをカスタムする際の参考にしてみてくださいね。