自作タンクやペイントの際はご注意を!エアベントの重要性

ガソリンタンクのエアベントってご存知ですか?意外と知られていないのですが、コレが無いとガソリンがキャブレター(やインジェクター)に流れて行かないのですよ。
そこで今回は、自作タンクやペイントの際に注意してほしい、エアベントの重要性についてお話しましょう。
ガソリンがキャブに流れない理由は……
そんなに頻繁に起こることではないのですが、面白い実例があります。とある中古車。ガソリンが満タンの時は普通に走るのですが、ガソリン残量が減ったときだけガス欠の症状が出る、というものです。
対策として、当然のことながらガソリンの流路を追って行きます。それほど大切に乗っていた中古車ではないので、ガソリンタンクに錆が発生していましたので、それを除去。フューエルフィルターも清掃。ついでにフューエルパイプを新品に交換しました。それでも症状は改善されず……
やむを得ずキャブを全バラしました。ガソリンタンクの錆由来と思われる小さな金属片が沢山でてきましたので、それを除去。内部パーツもしっかり洗浄。しかしそれでも症状は改善されませんでした。
困った筆者はバイク屋の親父に相談したのですが、あっさり「ソレで駄目ならエアベントだよ!」とのこと。エアベントを洗浄したところ、アッサリと症状は改善され、その他各所をキレイにしたお陰もあり、絶好調になりました。
エアベントはタンク内圧を適正に保つ!
ということで、エアベントの重要性。この話でお分かり頂けたと思いますが、エアベントはガソリンの流路ではありません。タンクまたはタンクキャップに装備されているベント=通路であり、それはタンク内の空気を外に逃がす役割を果たしています。
コレが何を意味するかと申しますと、もしエアベントが詰まってしまっていたと仮定しましょう。すると……燃料系は(ほぼ)閉じた系となります。それで何が困るかと言えば、冒頭でご紹介した筆者のようなトラブル、つまり、燃料がスムーズにキャブレターに流れなくなるのです。筆者の例の場合、ガソリンが一定量以上あるときは重力の影響なのか、普通に走ったのですが、タンク残量が減ったときにタンク内に負圧が発生していたのです。これを防ぐのがエアベントの役割、というわけです。
自作タンクや自家塗装の際はご注意ください!
いかがでしたでしょうか?今回は、エアベントの役割についてご紹介しました。
エアベントはタンクキャップに設けられている場合や、タンク本体からの経路が設けられている場合があります。ガソリンタンクを自作する際には、それらを参考にすること!また自家塗装の場合はエアベントを塞いでしまわないよう、ご注意くださいね!