歴史から紐解く!ハーレーとインディアンってどういう関係なの?

投稿日:2019-01-08

最近、ハーレー好きバイカーにとって気になる存在が、同じアメリカのメーカーであるインディアンではないでしょうか?

そこで今回は、両社の歴史をササっと辿りつつ、その関係についてご紹介してみたいと思います。

 

ハーレーの歴史

ハーレーの創立は1903年

https://platform.twitter.com/widgets.js

若干21歳の若者William S. Harleyが自転車に搭載するエンジン図面を書き上げたのが1901年。その2年後となる1903年、Arthur とWalter のDavidson兄弟が加わり、総排気量409ccの単気筒エンジンを搭載する第1号モデルが完成しました。

本モデルは、ご覧のように現在も同社ミュージアムに展示されており、SNSなんかでバンバン載せられています。

 

https://platform.twitter.com/widgets.js

そして1909年には、早くも最初のVツインエンジン搭載モデル、モデル5-Dをリリースしています。

 

第二次世界大戦前のハーレー

そんなワケで、あっという間に飛ばして行きますが(笑)、1928年にはツインカムエンジンを搭載するJDシリーズを発表!もはや今に通じるハーレースタイルを完成させてしまっています。

翌1929年にはフラットヘッドエンジンを搭載。これは1973年まで生き続ける長寿エンジンの原型でございます。

 

そして戦前最大のトピックは、1936年にリリースされたEL。

 

アメリカンモーターサイクルの象徴と言える、ナックルヘッドを搭載しているのでした。

 

第二次世界大戦後のハーレー

さてさて、第二次世界大戦後は、アルミ製ヘッド&油圧バルブリフターで武装し軟弱になった(冗談です)パンヘッドが1948年に登場したほか……

 

1957年には、ショベルエンジン搭載のアイアン・スポーツが登場。スポーツスターの源流となるモデルでございます。

 

こ~んなカスタムマシンさながらのモデルをリリースしたりもしています。

もっとも、会社の経営自体は一時期怪しい頃もありまして、AMF(アメリカンマシンファンダリー)の傘下に入ったりなんかしています。

しかし、その後はAMFからの脱却に成功。エンジンもエボリューションを開発したり……

 

 

遂には、こんな水冷4気筒エンジンを開発したりと、進化も続けているのであります。

 

車体回りでは、何と言っても、ソフテイル系の開発が白眉と言えましょう。

外からソレと分からぬように、こっそりとリアショックを搭載するソフテイル系のシャシーは、ハーレー躍進を陰で支えたと(筆者は個人的に)思っています。

 

そして現在では、アメリカ大陸横断スペシャルから新たに登場したストリートモデルまでジャンルを広げながらも、アメリカ産モーターサイクルの主役であり続けている。

これがハーレーダビッドソンなのであります。

 

インディアンの歴史

アメリカ最古のモーターサイクルメーカー

George M. Hendee が自転車製造メーカーとしてHendee Manufacturing Companyを設立したのは1987年のこと。モデル名は”Silver King”、”Silver Queen”、それに”American Indian”があり、これがブランド名インディアンの始まりとなりました。

そして1901年には、ガソリンエンジン搭載のレーサーを製造。翌年には顧客に販売しています。というワケで、インディアンはアメリカ最古のモーターサイクル・メーカーとして知られているのです。

1906年には、アメリカ製として初となるVツインエンジン搭載モデルを発表。欧米のレースでも活躍していました。

 

第二次世界大戦までのインディアン

 
 
 
View this post on Instagram

Out and about on theScout #Indianscout101 #vintagemotorcycle #indianmotorcycles #indianscout #101scout #flatheadindians

Neil Laneさん(@neil5770)がシェアした投稿 –

//www.instagram.com/embed.js

1920年には、スカウトを発売。Vツインのサイドバルブエンジン搭載モデルで、このエンジンが後の名車チーフのベースとなりました。

 

//www.instagram.com/embed.js

また直列4気筒縦置きエンジン搭載モデルで名を馳せたACEを買収。インディアンのモデルとして販売していたことも、大きなトピックでしょう。

概してインディアンは、ハーレーよりも高性能・先進的であることを、市販車とレース活動で示していました。

 

第二次世界大戦後のインディアン

 
 
 
View this post on Instagram

#indianmotorcycle #indianchief #1948 #cdh #littlewingengineering Photo by @yoshio_fortyfour

👣🐾🏍🏕🔥🐶🐶🐶🐾さん(@hotel____________india)がシェアした投稿 –

//www.instagram.com/embed.js

しかし……第二次世界大戦後のインディアンは、販売不振に陥ります。

主力モデルのチーフ(1948年モデルとのこと)は、ご覧のように、今見ても惚れ惚れする出来栄えではありますが、1953年には、スプリングフィールドでの生産を終了。以降、複雑に絡み合った商標権の問題は永年、インディアン復活への試みを幾度も挫折に追い込みました。

1998年には、かつて競合関係にあった各社が合併してインディアン・モーターサイクル社に発展。1999年に生産を始めましたが事業は成功せず、2003年がその会社の最後のモデルイヤーとなりました。

 

そして2011年、パワースポーツの世界的リーディングカンパニーであるポラリス・インダストリーズ社による新たな経営体制がスタート。アイオワ州スピリットレイクの新工場で生産を開始。これが現在に繋がる新生インディアンでございます。

写真は2014年モデルのスカウト。水冷Vツインエンジン搭載モデルです。

 

そして2019年モデルとして新たに、FTR 1200 Sを発表。レーシングマシンさながらのルックスと足回り、それにエンジンが魅力のニューモデルです。

インディアンの完全復活を印象付ける1台となりました。

 

ハーレーとインディアンはライバルではなかった!

いかがでしたでしょうか?今回は、極めて長い両社の歴史を駆け足で紹介する無謀な記事でしたが、こうしてみると、ハーレーは基本的にアメリカの一般ライダーに向けたモデルを、細々とでも作り続けてきたことが分かります。

対するインディアンは、ハーレーとは異なる高級路線を続けて失敗。ポラリスにより立て直された後は、その路線を継続しつつも、より身近で魅力的な市販車をリリースしています。

ということで、ハーレーとインディアンとは、実はライバル関係ではなかったのではないか、と筆者は感じています。皆さんは、どう感じましたか?

このページのTOPへ