ハーレーパーツの不思議…ステンレスのくせに錆びる理由とは?

投稿日:2019-02-12

鉄の馬とも称されるハーレーですが、実際に使われている金属パーツは、当たり前ではありますが、鉄だけではありません。カスタムパーツで多く使われているのが、アルミやステンレス製パーツです。

そこで今回は、一般的には錆びにくいと言われるステンレスについて。何故、ステンレスのくせに錆びるのか?その理由などをお伝えしてみたいと思います。

 

そもそもステンレスって何なのよ?

さて錆びにくい金属として知られるステンレスですが、ソレって本当なのでしょうか?ここは、そもそも論が大好きな筆者としては、正確に知っておきたいところです。となると……頼りにすべきは専門家。ということで、今回は、業界団体である「ステンレス協会」さんのウェブサイトを参考にさせていただきます。そこには……

ステンレスは英語でstainless steelと言い、直訳すればステンレス鋼となり、これが日本での正式名称となります。stainlessとは「さびない」と言う意味です。厳密には「さびにくい」という意味も含まれます。

ステンレスは鉄(Fe)を主成分(50%以上)とし、クロム(Cr)を10.5%以上含むさびにくい合金で、他の材料に比較すると使用量が急激に伸び、その生産量をみると現在国民一人当たり熱間圧延材ベースで30kg程度使用されるようになっております。ステンレスの使用量の増加はステンレス素材のすばらしさによる用途が拡大していることと、製造技術・加工技術の向上によるものでしょう。

なるほどステンレス鋼とは、鉄を50%以上含んだ主成分として、クロムを10.5%以上含む錆びにくい合金のこと、というのが正しい定義のようです。

更に、実に面白い記述がありました。ステンレス鋼は鋼材のJIS規格(耐熱鋼規格を含む)だけでも100種類以上の鋼種があり、さらに各社が開発した独自鋼種があるのだそうです。これら数多くの種類のステンレス鋼がそれぞれ適した用途に使い分けられているそうです。

そう言えば筆者の学生時代に所属していた研究室に、とあるキッチンメーカーから来た社会人ドクターが居ました。彼が面白い性質を持ったステンレスの研究をしていました。それが……「約10年で錆び始めるステンレス」というもの。ある程度満足して使えて、ボロくなったら買い替えて欲しい、というメーカーの助兵衛心に満ち溢れた研究に驚かされた記憶が蘇りました。

 

ステンレスが錆びにくい仕組みとは?

それはさておき……このステンレス協会さんのウェブサイトが実に秀逸でして……錆びにくい仕組みまで説明してくれています。丸パクリみたいで申し訳ないのですけど、転載元を明記しておきますのでお許しくださいませ。以下、同会より転載します。

鉄にクロムを添加するとクロムが酸素と結合して鋼の表面に薄い保護皮膜 (不動態皮膜)を生成します。この不動態皮膜がさびの進行を防ぎます。またこの不動態皮膜は100万分の3mm程度のごく薄いものですが、大変強靭で、一度こわれても、周囲に酸素があれば自動的に再生する機能をもっています。

ステンレス協会さんのウェブサイトには、この仕組みが図でも説明されていますので、ご興味を持たれた方はご覧くださいね。

 

それでもステンレスは錆びる!

ということで、ステンレス協会さんのウェブサイトから、ステンレスの性質について、ご紹介しました。

しかし!ステンレスは一般の鋼に比較すると極めて優れた耐食性を有する材料なのではありますが、私たちバイカーは知っています。ステンレスだって錆びるのです。それは……特定の環境、使用条件の下では錆びることがあるのです。

その特定の環境や使用条件というのは……一つは塩。筆者は貧乏な癖に海近の土地に住居を構えちゃったりしているのですが……そのためステンレスだって錆びまくりです。どうやらステンレスには塩分に弱い、という性質があるようなのです。この事実はステンレス協会さんのウェブサイトには記載がないので、根拠には自信がありません。

また、キッチン系情報サイトには、塩素に弱いという記述も散見されます。塩素系漂白剤のことを言っているのでしょうか?これも根拠不明ですが、一応お知らせしておきます。

あとは、筆者の想像ではありますが、ステンレスを謳っているものの正しいステンレス鋼ではない、ということも充分に考えられます。某国製品によくあるのですが、日本の基準には満たない材料がステンレスとして出回っている可能性があるのです。

結論的には、ステンレスは錆びにくい。しかし特定条件下では錆びることがある、という感じで、今回はまとめたいと思います。

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