【規制強化の波!?】今後ハーレーは生き残れるのか?

投稿日:2019-06-11

ハーレー・バイカーの皆さんが、ご興味を持ってくださるのか……ちょっと心配でもあるのですけど……私達が乗るバイクは全て、世界中の国や地域で設定されている、様々な基準をクリアしたものであります。その様々な基準のうち、私達一般バイカーにとって最も身近なのは、安全基準や保安基準であります。「車検を通るかな……」みたいな時に実感しますよね?

が、今回話題にしたいのは、別の二つの規制について。今回は、ちっぴり大上段に構えて「【規制強化の波!?】今後ハーレーは生き残れるのか?」と題して、お届けしてみます。

 

ハーレーの今後を左右する規制とは?

その二つの規制というのは……騒音規制と排ガス規制であります。

 

騒音規制の動向

前者は、日本の環境省が世界で最も厳しい規制を敷いてしまったがために、日本のバイカーは大変辛い状況下にあったことをご存知でしょうか? あまり詳しく書くと本論からズレるので省略しますけど、日本において騒音規制は排気量別に設定されていた過去がありまして、それも定常騒音・加速騒音・近接騒音という3項目が設定されています。

そのため、日本では騒音規制をクリアできないから……という理由で世界中を走っているモデルが発売されなかったり、トンでもなく長いマフラーが装着されて販売されたり、また最高出力が落とされたり、していたのであります。

ただし、この騒音規制については世界中で、ほぼほぼ今ある新車は一般的な常識で考えたらOKだろう、というレベルに到達しておりまして、更に厳しくなることは、近い将来は考えられません。

 

排ガス規制の動向

で、問題となるのは、もう一つの方、排ガス規制でございます。コチラは、車種の存続に大きく関わってきた経緯があります。例えば、1998年規制により、2ストローク車がほぼほぼ全滅してしまいました。また2006年規制ではより厳しい測定方法(冷機モード)が適用された結果、キャブ搭載車が全滅してしまいました。

こうした排ガス規制が、何に基づいて決められているのか、と申しますと、実はヨーロッパの皆様、なのであります。皆さんも「ユーロ4」とかって言葉を聞いたことがあると思いますが、あれは欧州規制なんですね。

2019年現在、私達は2016年から始まった「ユーロ4」下におります。ザックリ言いますと「ユーロ4」では

  1. 排出ガス規制値の強化
  2. クランクケースガスエミッションの追加
  3. 燃料蒸発ガス規制の導入
  4. 耐久走行試験の導入
  5. OBDの導入(stage1:断線検知等)

が導入されました。この結果、多くのモデルが生産終了になってしまったことを覚えている方も少なくないでしょう。

で、次はどうなるか、と申しますと……2020年から「ユーロ5」が適用される予定なのであります。今度のは……

  1. 排出ガス規制値の強化
  2. 耐久走行距離の見直し
  3. 燃料蒸発ガス規制値強化
  4. OBD の高度化(stage2:排ガス閾値 診断に基づく部品・システムの劣化 検知+トルク低下検知)

が予定されています。二輪車業界に興味を持たれている方ならば、国内メーカーの販売店網再編に影響を与えているのが4番であることをご存知のことと思います。

 

ハーレーの今後は大丈夫なのか?

トランプ氏が「ヨーロッパの規制が厳しくなったって構うもんか!アメリカ最高!」と言ったところで、これに適応して行かねば、どうにもならないのは明白。ハーレーとて世界中で販売しており、今後伸びが期待できるのは、北米以外の地域だからです。この厳しくなる一方の規制を前に、ハーレーは大丈夫なのでしょうか……

答えは……大丈夫っぽいぜ、という感じでしょうか。そもそも論的に、ハーレーは排気量が大きく、また最高出力を公表しないほど、低出力がウリとなっている世界でも稀なモーターサイクルです。ですから排ガス規制に対する対応力が、是が非でも性能を確保せねばならない他メーカーと比較して、かなりあると考えられます。騒音規制に対しては、ハーレーの空冷エンジンは不利になってしまうのですが……これも国産二輪車のエンジニアの方に聞いた範囲では、決して対応できなくない、とのことでした。

また、自動車業界に押し寄せる電化の波に対しても、ハーレーは素早く順応する姿勢を見せています。

ハーレーの電動バイク「LiveWire」が2019年8月に発売するらしい!

こちらの記事でご紹介した通り、既に市販車を開発しているのであります。ということで、私達が望む姿であるかどうかは別にして、ハーレーは規制が強化されても大丈夫であると、こう考えるのであります。

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