ブレーキフルードの規格に種類、交換時期や費用について
現行モデルで使われているブレーキの多くは、油圧式ブレーキを採用しています。油圧式ブレーキというのは、バイカーによるブレーキレバー・ブレーキペダルの操作を油圧に変えて作動させるブレーキの仕組みのことです。レバーを引く→油圧でブレーキピストンを押し出す→ピストンがディスクと接触する。これにより制動力を発揮するわけです。ということで油圧が効くために大事な役割を果たしているのが「ブレーキフルード」です。
そこで今回はこのブレーキフルードについてお話していきたいと思います。
フルードの規格と種類について
ブレーキフルードは工業製品であり乗り物の大切な構成要素ですから、どんな性能を持っているべきかが規格化されています。そしてハーレーをはじめとした乗り物のブレーキフルードは、アメリカ連邦自動車安全基準(FMVSS)のNo. 116で定められたDOT規格が広く使われています。
ちなみに日本にはJIS規格というのがありますが、ここでもブレーキフルードは規格化されており、JIS K 2233:2006で定められています。 ただし、JIS規格はDOTはほぼ対応していますから、ブレーキフルードはDOT規格で読み取っていくことができます。
では、ブレーキフルードの何をもって規格化されているかと申しますと、それは沸点特性。ブレーキフルードは摩擦により制動力を発揮します。このときフルードは高温に晒されるわけで、その高温に対する性質が、ブレーキフルードの特性とされるわけです。
そして、ハーレーに使われるブレーキフルードはDOT4またはDOT5、の2種類です。
・DOT4:主成分はグリコールでドライ沸点が230℃以上、ウエット沸点が155℃以上
・DOT5:主成分はシリコンでドライ沸点が260℃以上、ウエット沸点が180℃以上
と言うわけで、DOT4とDOT5のブレーキフルードは成分が異なりますから、必ず自車で定められたDOTのフルードを使うこと、また混ぜるのは厳禁です。
ブレーキフルードの交換時期と費用
繰り返しになりますが、ブレーキフルードはブレーキを操作するたびに、圧縮・解放を繰り返されるため、経時変化により劣化が進みます。ですので、あまり乗っていないから交換しない、ということは成り立たないのです。
「街乗り中心だからブレーキフルード交換はし!」なんてことも厳禁!街乗り中心ならば、走行距離が少なくても酷使されている可能性があるわけですから、しっかり交換すべきなのです。何故なら「ブレーキフルードが劣化していたからブレーキが利きませんでした!」なんてことは絶対にあってはならないからです。
と言うことで、筆者がオススメしたいのは「ブレーキフルードは車検ごとに交換すべし!」です。
交換費用は、フルード本体+工賃で前後合わせると2万円程度はみておきましょう。フロントシングルのみなら5,000円以下でお願いできる場合もありまが、フロントダブル(ABS仕様)であれば1万円以上。リアも同様の金額。となると2万円はみておくべきなのです。
MID USA ブレーキフルード DOT 5
品番: G05503
メーカー: MID USA
価格:¥3,520(税込)
最初にご紹介するのはシリコン系「ブレーキフルード DOT5」。355mlです。
※適合外車種
※下記車両は適合致しませんのでご注意ください。
2005年以降 ツーリングモデル
2006年以降 ダイナ/ソフテイルモデル
2007年以降 スポーツスターモデル
LUCAS DOT4 シンセティックブレーキフルード
品番: L10827
メーカー:LUCAS OIL
価格:¥1,494(税込)
こちらはお値打ち価格のルーカス製品。「DOT4 シンセティックブレーキフルード」。内容量は12オンス(354.9ml)。
ポリエチレングリコールエーテルと添加剤の高品質ブレンドです。DOT4対応のブレーキと油圧クラッチの両方での使用をお勧めします。
※DOT5との併用はできません。混ぜないでください。
※DOT4のブレーキフルード純正採用は2005年以降ツーリング/2006年以降VRSC・ダイナ系・ソフテイル系/2007年以降スポーツスター。