バイクで起こる〇〇現象~アフターファイヤー

投稿日:2025-07-04

このコラムでは、バイクで起こる様々な現象を随時ご紹介しています。前回はエンジンに関する現象として「エンジンブロー、オーバーヒート、オーバークール」を取り上げました。今回は「アフターファイヤー」について解説します。

バイクで起こる〇〇現象~エンジンブロー、オーバーヒート、オーバークール

 

アフターファイヤーとはマフラーから爆発音や火花がでる現象

アフターファイヤーとは、マフラーから爆発音や火花が出る現象です。後述しますが、バックファイヤーとは異なる現象ですので、ご注意ください。

そもそも、ハーレーダビッドソンに限らず、内燃機関(エンジン)を搭載しているモーターサイクルは、エンジンの燃焼室内でガソリンを燃焼させることで動力を得ています。エンジンの状態が正常であれば、燃焼はエンジンの燃焼室内で起こります。しかし、例えば高速域からの減速時に、マフラー内で異常燃焼が起こり、爆発することがあります。これがアフターファイヤーです。

 

アフターファイヤーの発生原因

なぜ高速域からの減速時にマフラー内で異常燃焼、つまりアフターファイヤーが起こりやすいかというと、減速時(特にキャブレター車の場合)は、スロットルがオフの状態でもキャブレターから燃焼室へ燃料が供給され続けているためです。

スロットルがオフの状態では吸気通路が狭くなり、空燃比(空気と燃料の比率)が通常とは異なってしまいます。この濃くなった混合気が燃焼しきれず、マフラー内に溜まり、異常燃焼を起こすのです。

 

アフターファイヤーの危険性

マフラーから頻繁に爆発音がする場合は、早急な対策が必要です。放置すると、マフラーが損傷する可能性が高くなります。

また、異常燃焼によってエンジンがダメージを受けることもあります。具体的には、ピストンやバルブが異常な高温にさらされることで、溶解したり穴が開いたりする可能性があります。

 

アフターファイヤーの原因と対策

アフターファイヤーの発生原因として、まず考えられるのはプラグの不良です。混合気がしっかりと燃焼していないため、未燃焼ガスがマフラー内に溜まります。混合気が燃焼しない原因としてプラグの不良が考えられるため、プラグの焼け具合を確認し、必要に応じて新品に交換しましょう。併せて、プラグコードやプラグキャップの劣化も確認することをお勧めします。

次に確認すべきは吸気系です。まず、インマニ(インテークマニホールド)の劣化を疑います。インマニにひび割れがあると二次エアを吸い込み、空燃比が乱れます。これが異常燃焼の原因となることがあります。続いて、キャブレター本体を確認します。空燃比のずれも異常燃焼の原因となります。ただし、通常の走行で空燃比が乱れることは稀です。ガソリンタンク内の錆などが原因となる場合があるので、その場合はキャブレターのオーバーホール(OH)が必要です。

もう一つの原因として、点火時期の異常が挙げられます。点火時期が早すぎたり遅すぎたりすると、異常燃焼が発生します。点火時期の調整を行うか、インジェクション搭載モデルの場合はプロショップでコンピューターやセンサーの点検を依頼しましょう。

また、キャブレターやエアクリーナーなどの部品を純正品から社外品に変更した場合にも、アフターファイヤーが発生することがあります。この場合は、プロショップにセッティングを依頼することをお勧めします。

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