ヴィンテージハーレーなどに使用されている「すりわり」についてのお話

唐突ですが、皆さんは「すりわり」をご存じでしょうか?
今回は、現行モデルではすっかり見かけなくなった、ヴィンテージモデルに標準採用されていた「すりわり」についてお話しします。
「すりわり」とはマイナスネジのこと!
最初に結論からお伝えすると、「すりわり」とはマイナスネジのことです。今では、ネジと言えば誰もがプラスネジを思い浮かべることでしょう。
マイナスネジは、400年以上も前の15世紀に人類が発明したと言われています。当初のネジの材質は鉄ではなく木材でした。木製のすりわりは、オリーブオイル絞りとして使われていたそうです。日本にすりわりが入ってきたのは戦国時代。火縄銃と共に伝来したとされています。
ちなみに、プラスネジが登場したのは1935年頃のアメリカです。ヘンリー・F・フィリップス氏がプラスネジを考案しました。このプラスネジを日本に持ち込んだのは、HONDAの創業者である本田宗一郎氏だと言われています。
「すりわり」のメリット・デメリット
先ほどお伝えしたように、マイナスネジは今ではほとんど見かけなくなりましたが、それでもメリット・デメリットが存在します。
メリットは、ネジの頭に一文字の溝を削り出すだけで作ることができるため、低コストである点です。また、現在では希少なため、旧車に採用されていたすりわりは、旧車のイメージを醸し出すアイテムとして機能します。
一方、デメリットは、なめやすい形状であるため、エアツールを使用できず、一つひとつ手作業で締めたり緩めたりする必要がある点です。これは効率的な生産が求められる工業製品では、致命的な欠陥と言えるでしょう。
スロテッドスクリュー ブラス 1/4-20×3/4
品番: GC-71229
メーカー:GUTS CHROME
価格:¥328(税込)
サイズ:1/4-20、ネジ部の長さ:3/4
アメリカ製の「スロテッドスクリュー」です。素材はブラスです。マフラーのバッフル取り付けのボルトなど、アクセントとして使用すればオシャレなパーツです。強い締め付けトルクが必要な箇所や、エンジンパーツなどには使用しないでください。
スロテッドスクリュー ジンク 1/4-20×3/4
品番:GC-71788
メーカー:GUTS CHROME
価格:¥84(税込)
サイズ:1/4-20、ネジ部の長さ:3/4
アメリカ製の「スロテッドスクリュー」です。ユニクロメッキ仕上げです。マフラーのバッフル取り付けのボルトなど、アクセントとして使用すればオシャレなパーツです。
ファンネル用マイナススクリュー 1/4-20 パーカライズド【3本セット】
品番:MK-094
メーカー:kH Engineering
価格:¥2,218(税込)
サイズ:1/4-20×9/16
kH Engineering製のS&Sキャブレターのファンネル用スクリューです。すりわりです!
まとめ
いかがでしたでしょうか? 今回は「すりわり」についてお話ししました。
パンヘッド、ナックル、サイドバルブを所有している方のレストア(再生)では、ぜひ「すりわり」をご利用ください。やはりストック(ノーマル状態)を可能な限り維持することは、希少な車両を所有するオーナーの責務でもあります。
一方、ヴィンテージルックにカスタムしたい方にとっては、マイナスネジに変更することで「こだわり」と「味」を演出できます。大きなトルクが不要な箇所でご使用ください。