リジッドフレームのメリット・デメリット

投稿日:2017-04-14

ハーレー乗り、もしくはハーレーに乗りたいと思っている方ならば、少なからずリジッドフレームに対する憧れの部分があることと思います。特にオールドスクールに傾倒している方なら、なおさらでしょう。今、乗っているハーレーを、いずれはリジッドにカスタムしようと考えている方もいるのでは? そこで今回は、リジッドフレームのメリット・デメリットについて語ってみましょう。

カスタム、もしくは購入を考えている方は、ぜひとも参考にしてください。

 

リジッドフレームとは?

当コラムの読者なら今さらという方が大半だとは思いますが、まずはおさらいの意味も込めてリジッドフレームについて説明してみましょう。

「硬くて曲がらない」という意味の英単語”リジッド”を冠していることからもわかるように、リジッドフレームとはリアサスペンション機能を持たない構造のフレームのことになります。リアサスペンションが開発されるまでは、全てのモーターサイクルはリジッドフレームを採用していました。ピンと来ない人は普通の自転車のフレームを多い浮かべていただければわかりやすいかもしれません。

 

ハーレーのリジッドフレーム

ハーレーダビッドソンではビッグツインの第二世代とも言うべき、パンヘッドのハイドラグライド最終モデルまでリジッドフレームを採用していました。1958年に登場したデュオグライドからはリアサスペンションが採用され、以降はリジッドフレームは一切、採用されることなく現在に至っています。

リジッドフレームとは要するにリアサス開発以前の旧体然としたフレームです。ところが、ハーレー乗りの中にはこのリジッドフレームを好む方が多く見られます。特にチョッパー乗りになると、その傾向は顕著です。

せっかくリアサスが最初から採用されている”ショベルヘッド”や”エヴォリューション”のフレームを、わざわざハードテールを溶接してリジッドフレーム化したり、社外のリジッドフレームにエンジンを載せ変えるなど、お金や手間暇をかけてまで、旧い構造のリジッドフレームを好むのでしょうか? 

 

リジッドフレームの魅力・メリット

チョッパーの起源と言えば諸説はありますが、1960年代にアメリカでカスタムされたとされています。それを世間一般に広めたのが、言わずと知れた映画「イージーライダー」ですね。

主人公たちが乗っていたカスタムハーレーは長いフロントフォークにピーナッツタンク、シッシーバー、そしてリジッドフレームという特徴を持っていました。この「キャプテン・アメリカ号」と呼ばれるハーレーこそが、チョッパーの代名詞となっています。

つまり、リジッドフレームの魅力と言えば、ズバリ、このチョッパーの代名詞のフォルムに近くなることに尽きるでしょう。まずは見ため、フロントフォークからリアタイアに至るまで斜めに下ろされたまっすぐなリジッドフレームは非常にスマートです。「ザ・チョッパー」と言っても過言ではないでしょう。

また、クラシカルで余計なリアサスなどがない分、軽量かつコンパクトに仕上げられるということも挙げられますね。アクセルの開閉に反応するダイレクト感も魅力にあふれています。

最後に雰囲気ですね。リジッドフレームはフレームがしなることで振動を抑えるという構造のフレームで、実際に乗ってみると、確かにある程度は抑えられますが、もちろん、リアサスの比ではありません。乗り心地においては天と地程の差があります。

乗り難いバイクを乗りこなす……そんな快感をもたらしてくれるところが魅力なのでしょう。それではリジッドフレームの魅力、メリットとは……

 

・後ろのラインがスッキリして見た目がカッコいい

・雰囲気が良い

・車高が低くなる

・ダイレクト感が良い

つまるところ、リジッドフレームのメリットは、見た目と雰囲気に起因することばかりですね。

 

リジッドフレームのデメリット

当たり前の話ですが、サスペンションのないリジッドフレームの乗り心地は悪いとしか言いようがありませんし、振動で他の部品が取れてしまうことも珍しくありません。また、ショベルの4速フレームに溶接でリジッド化させたウェルドオンハードテールというリジッドフレームも数多く存在しますが、これは純正のリジッドフレームに比べるとしなりが少なく、さらに乗り心地が悪くなり、ちょっとしたギャップでも、もの凄い衝撃となって乗り手とバイクを直撃します。当然、耐久性も著しく損なうことになります。

そして何より、ハーレー社では1958年以降、リジットフレームの製作は行っていませんので、1958年以降のリジッドフレームのハーレーというのは全て保安基準を満たしておらず、車検の際には備考欄に「後輪緩衝装置なし」の記載が入り、車名が「ハーレーダビットソン」ではなく「不明」となってしまうのです。

よく「ショベリジ」と言われるリジッドフレームに「ショベルヘッド」のエンジンを搭載したチョッパーなどは、「ハーレーダビットソン」として扱われなくなる場合もあるのです。登録もグレーな車両が多く見られます。デメリットがこちら……

 

・乗り心地が悪い

・振動が大きい

・ちょっとしたギャップでも衝撃が大きい

・「ハーレーダビッドソン」と記載されなくなる

・耐久性も損なう

 

自分なりのスタイルを選択しよう!

上記していますが、リジッドフレームとはリアサス開発前の旧体然としたフレームです。現行のバイクに比べ、振動は大きく、乗り心地は悪く、路面の状態の善し悪しがダイレクトに伝わります。振動が大きくなることで、耐久性も悪くなり、バイクそのものを失う、もしくは寿命を縮めることにもなりかねません。

1957年以前のハーレーに乗っている方は、リジッドが当たり前なので、犠牲にする部分がありませんが、それ以降のカスタムリジッドに乗っている方、特に社外載せ変えフレーム、もしくはハードテール化カスタムされた車両に至っては、ハーレーダビッドソン」としての名前、価値すら失いかねない危険性も生じるのです。

要するに性能や乗り心地、耐久性すらも犠牲にしてまでリジッドに乗りたい! 魅力を感じる! という方にはオススメですが、そうでない方には決してオススメできないのがリジッドフレーム化ですね。ただ、厄介なのはリジッドフレームのチョッパーには、何かを犠牲にしてでも乗ってみたい魅力にあふれていることもまた、事実なのです。

ハーレーとはある意味、自由の象徴の一つです。カスタム、もしくは購入を考えている方は、自分のリビドーにしたがって自分なりのハーレーを選択するといいでしょう。

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