ハーレーダビットソンのエンジンオイル交換について

投稿日:2014-06-19

エンジンオイルはエンジン内部の潤滑剤です。ガソリンの燃焼や金属部の摩耗が原因で劣化していきますが、全くバイクを動かさなくても劣化します。
交換せずに放っておくとエンジン内部の潤滑が正常に出来なくなり、不調や故障の原因になります。

オイル交換は重要なメンテナンスの一つです。
エンジンを長持ちさせるためにも3,000㎞ごと、もしくは半年ごとに交換することをお勧めします。
今回は「エンジンオイルの種類と役割」「エンジンオイルの交換方法」をご紹介します。

エンジンオイルの種類と役割


ハーレーのエンジンオイルは、マルチグレードオイルとシングルグレードオイルがあります。
「20W-50」のように表記されているオイルはマルチグレードオイル、「50」のように数字1つのみ表記されているオイルはシングルグレードオイルです。

これらの数値はオイルの粘度を示しています。
オイルは温度により粘度が変化します。温度が下がれば固くなり、温度が上がると粘度が下がりサラサラになります。
オイルの性能を発揮するには適切な粘度を保つ必要があります。

マルチグレードオイルの「20」は低温粘度、「50」は高温粘度を示しています。
この「20」の数値が小さい程、気温が低くても適切な粘度を保ち、後ろの「50」の数値が大きい程、気温が高くても粘度を保つことを示しています。

また、シングルグレードオイルの数値は高温粘度のみを示しており、シングルグレードオイルはマルチグレードオイルに比べ、使用可能温度の幅が小さくなっています。
マルチグレードオイルの方が性能が高いため、現在のハーレーはマルチグレードオイルを使用しますが、ショベルヘッド以前の旧車に限りシングルグレードオイルを使用します。

これは旧車のエンジンがシングルグレードのオイルに合わせて設計されているためです。
エンジンオイルは金属面に油膜を張り、金属同士の摩擦を少なくするためにも適切な粘度が必要になります。

また、エンジンオイルにはエンジンの清浄作用や冷却作用もあります。これらの作用も適切な粘度でないと正常に働きません。
劣化したオイルを使い続けたり、車種に対応していないオイルを使用すると故障の原因にもなります。
エンジンオイルは非常に重要な役割を担っているので、適切な交換を行いましょう。

エンジンオイルの交換方法


ハーレーのメンテナンスはインチサイズの工具も必要になるため、事前に工具を揃える必要があります。
あらかじめ必要な工具をチェックし、準備が整った上で交換作業を始めてください。
また、廃油受けも忘れずに準備してください。

エンジンオイルを抜く

  1. 1.エンジンオイルの粘度が高いので、流しやすくするために数分間エンジンをかけてオイルを暖めます。エンジンやオイルが高温になるため、火傷には十分注意してください。
  2. 2.サイドスタンドを使用するとオイルを抜くことができないため、ジャッキなどを使って車体を平行にします。サイドスタンドにブロックなどを噛ませて並行にする方法もありますが、反対側に倒れないように注意してください。
  3. 3.右側に付いているオイルタンクのキャップを外します。これが締まっているとオイルが 出づらくなります。レンチに5/8ソケットを装着して、エンジン下のドレインボルトを緩めます。十分に緩んだら、廃油受けを下に置いて手でドレインボルトを外します。
  4. 4.ドレインボルトを外すとすぐに、真っ黒なオイルが流れてきます。手にかからないよう注意してください。

ドレインボルトの脱着

  1. 1.ドレインボルトには磁石が付いています。磁石にエンジン内で発生した鉄粉が集まっていますので、拭き取ります。
  2. 2.ウエスでドレイン周辺のオイルを拭き取り、パッキンのOリングを新品に替えてドレインボルトを装着します。
  3. 3.最初は手で、最後はレンチを使いドレインボルトをきつく締めます。

エンジンオイルを入れる

  1. 1.ドレインボルトからオイルを抜いた場合、すべてのオイルを抜ききることはできません。バイクに残留しているオイルの分を考慮して、若干少なめにオイルを入れます。残留量はドレインボルトから排油した場合は20%、オイルフィルターも交換した場合は10%を目安にします。
  2. 2.オイルジョッキにオイルを入れ、オイル注入口からこぼさないようにゆっくりとオイルを入れていきます。
  3. 3.オイルキャップを締めた後、オイルを循環させるために1分程度エンジンをかけます。
  4. 4.ジャッキを外してサイドスタンドを掛けます。オイルキャップに付いているレベルゲージを外し、一度ウエスで拭いた後にオイル量を測定します。規定量に達していればOKです。
  5. 5.最後は、もう一度1分程度エンジンをかけて止めます。オイルの滲みや漏れをチェックして問題がなければ終了です。

作業の手間や工具の用意などを考えるとバイクショップに任せることも選択肢の一つですが、初歩的なメンテナンスですので挑戦してみましょう。

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