運転中のイヤホン使用は違法?合法?

投稿日:2018-05-15

先日の当コラムにて「信号待ちや渋滞時での携帯操作は道路交通法違反?」という記事を掲載しました。

 

信号待ちや渋滞時での携帯操作は道路交通法違反?

厳密に言えば、”確実に停止”していれば違反ではない、ということでしたが、安全上、”手持ちで”携帯を操作するのは止めるべし、という結論となりました。

では、手持ちでなければ良いのか?気になります。そこで今回は、「運転中のイヤホン使用は違法?合法?」と題して、法律を参照しつつ、ご紹介しちゃいましょう。

 

運転中の携帯使用は違法!ではイヤホン使用は?

さて、今回は車両そのものではなく、運転に関する法律ですから、参照するのは、道路交通法になります。その第70条に記載があります。大事な部分ですので、そのまま引用しますと……

車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない。

と記載があります。イヤホンそのものには言及されていないのですが、「適切に運転できる状態を保つこと」と「他者に危害を及ぼさないこと」とのみ、記載されています。

また携帯電話の使用に関する記述は、過去記事でもご紹介しましたが、“運転中の手持ちでの操作”は禁じられているものの、手持ちでない操作=ワイヤレスでの通話は禁止行為とは明記されていません。

ということで、ここまでのところ、馬鹿みたいな大音量で音楽を聴くなどの行為を除いては、「運転中のイヤホン使用は合法!」のようです。

 

イヤホン使用の可否は都道府県公安委員会が決める!

ところが……実は本件、そう簡単な話ではありません。実は……都道府県公安委員会が決定しているのです。イヤホン使用の可否を定めているのが、都道府県により名称は異なりますが、「道路交通法施行細則」などと呼ばれるもの。

(少し話が脱線しますが……)実は「同じ日本国内であっても、都道府県により道路交通に関する決まりが微妙に異なっている」ことをご存知でしょうか?最も有名なのが、前後二人で運転する自転車である”タンデム自転車”。観光地などで時々見掛けますよね?実はあのタンデム自転車が適法である県と、法律違反になる県とが存在するのです。県境を跨いで乗車すると、適法から違反になる可能性を秘めた微妙な存在なんです。

ということで話題をイヤホン使用に戻しますと……「イヤホン使用の可否は都道府県により異なる!」が正解となります。例えば筆者は神奈川県人ですから調べてみますと、「神奈川県道路交通法施行細則 第11条(運転者の遵守事項)」に記載があります。

(1) 第3号 携帯電話用装置を手で保持して通話し、若しくは操作し、又は画像表示用装置に表示された画像を注視しながら自転車を運転しないこと。

(2) 第5号 大音量で、又はイヤホン若しくはヘッドホンを使用して音楽等を聴く等安全な運転に必要な音又は声が聞こえない状態で自動車、原動機付自転車又は自転車を運転しないこと。

とのこと。つまり……大音量でのイヤホン使用は法律違反になる、ということです。

また、東京都の場合は、と申しますと、「東京都道路交通規則 第8条」に記載があります。

高音でカーラジオ等を聞き、又はイヤホーン等を使用してラジオを聞く等安全な運転に必要な交通に関する音又は声が聞こえないような状態で車両等を運転しないこと。

とのこと。イヤホン使用の可否というよりは、大音量はダメよ、ということですね。

 

大音量は控えるべし!

ライディング中にも音楽を楽しみたい、という気持ちも分からなくはありませんが、道路を共有する他車の気配を察することで安全性が高まるのは紛れもない事実。救急車両や消防車のサイレン、踏切の音など、予期せぬしかし重要な音というのも存在します。

ということで、結論的には、「イヤホン使用の可否は都道府県により異なるものの、概ね大音量でなければ適法。ただし、絶対に大音量は避けるべし!」という感じでしょうか。今回は少し歯切れの悪い結論ですね。皆さん、居住地の道路交通法施行催促を調べてみてくださいね!

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