「赤サビ・青サビ・白サビ」あなたはいくつのサビの色を知ってる!?

サビって何だろう?あの赤くて憎い奴。手で触れると指先が真っ赤になる奴。それはそれで正しいのですが、一方で、同じサビでも、黒サビとか青サビ、白サビなどなど、思い返してみれば色々なサビがあるような気もしてきます。
そこで今回は、サビの色について、ササっとご紹介して行きます!
サビとは何か?
その前に、サビとは何か、という話を少々。サビというのは、金属表面の金属原子が、空気中の酸素や水と酸化還元反応をおこすことで出来る腐食物(酸化物や水酸化物や炭酸塩など)です。端的に言えば、金属が酸化したもの。それがサビなのでございます。
なのでサビを防ぐには、金属表面を保護すれば良い。それが塗装やメッキ、アルマイト加工なのであります。それでも何故かサビは発生してしまいます。こうした金属表面の保護加工は万全ではないからです。では、続けて、冒頭で記載した赤サビや青サビといった色ごとのサビの違いについて説明して行きます。
赤サビは鉄に発生する憎い奴
まずは赤サビ。コレは私達が普段生活していると最も目にするサビではないかと思われます。この赤サビとは何かと言うと、最も多くみられる「鉄のサビ」であります。
後述する通り、鉄のサビにはもう一つの色があるのですが、赤サビは社会の敵です。そんなことはどうでも良くて、日本語でいうと酸化第二鉄、化学式で表現するとFe2O3。これが赤サビの正体でございます。
黒サビも鉄に発生するが……
続いて黒サビ。コチラも赤サビと同じく鉄に発生するのですが、なぜか喜ばれるタイプです。その理由は……より安定しているから。鉄表面に黒サビができると、それ以上はサビが進行しにくくなるのであります。
黒サビは日本語でいうと四酸化三鉄であり、化学式で表現するとFe3O4となります。黒サビは喜ばしいタイプのサビではありますが、残念ながら自然発生はしません。メッキ表面などに発生します。メッキ表面のポツポツとしたサビは憎たらしいものですが、比較的安定しており、サビの進行を食い止めてくれていると……そう理解しておくと良いでしょう。
青サビを見たければ鎌倉の大仏さんにGO!
続いては青サビ。これを別の言葉で言い換えると、緑青(ろくしょう)となります。
青サビを見たことがない、という方はお寺に行ってみると良いでしょう。その屋根は何となく青っぽかったりしますね。あれが緑青。あるいは鎌倉の大仏さん。あの緑青は青サビによるもの。ちなみにアメリカの自由の女神も緑青によるもの。想像つきませんが、元はブロンズカラーでした…
ということで、銅が錆びると青くなるのであります。バイクの場合は、旧車のオイルパイプやキャブレターのスクリューなんかが銅製パーツなので、青サビが発生します。
白サビはアルミニウムに発生する!
最後は白サビ。アルミニウム表面に発生します。アルミニウムというとサビない金属の代表のように言われますが、それは間違いです。サビにくい、というだけの話であります。
そもそも論から言えば、私達はアルミ、アルミと無闇に有難がっていますが、私達が接しているのはアルミニウム合金を加工した製品。純アルミではありません。加工難易度やコストやらを考慮して、合金素材が選ばれています。で、純アルミはサビにくいのですが、一般的なアルミニウム合金は純アルミよりもサビやすいと。なのですが、アルミニウムは合金であっても、乾燥している空気中では、金属表面に酸化アルミニウム(Al2O3)の薄い膜を形成します。酸化被膜というものです。このためにアルミニウム合金はサビにくいのです。
ところが……こんなアルミニウムであっても、湿度が高かったりすると、この酸化アルミニウムが水和酸化物に変化してしまいます。これを水和酸化アルミニウムと呼ぶのですが、これこそが白サビの正体なのです。アルミニウムの表面がモリっとしているアレですね。
サビは金属表面の酸化です!
ということで今回は、サビの色についてアレコレ書いてみました。
サビとは金属表面の酸化。その色の違いは金属素材の違いによると……そういうお話でした!