【マニアックの境地】492ccの単気筒エンジンを搭載したビューエル「ブラスト」って知ってる?

投稿日:2020-05-05

未だに一部マニアから高く評価されている特別なハーレー……それがビューデルであります。当サイトでも何度かご紹介していますので、その歴史やエンジンについては、そちらをご覧いただくとして……

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今回ご紹介するのは、そのビューエルの単気筒モデル!「ブラスト」であります。

 

「ブラスト」はビューエルの半分!

ビューエルの単気筒モデルが「ブラスト」です。ビューエルと言えば、一般的にはスポスタエンジンを専用シャシーに搭載したロードスポーツモデル、と認識されているはずですが……「ブラスト」はちょっと違った経緯を持ったエンジンがベースです。

というのも「ブラスト」の排気量は492cc。「ブラスト」はビューエルエンジンのリアバンクを使っている、と言われているわけですが、計算が合わないのです。883は883ccですし、1,200は1,202ccですから……

その答えは、「ブラスト」の生産年を知れば、理解できるわけです。それは……2000年から2009年。そう、「ブラスト」のベースとなったエンジンは、スポスタエンジンの転用ではなく、ビューエル専用エンジン(排気量は984cc)なのです。だから半分で492cc、というワケです。

 

「ブラスト」は単なるエントリーモデルではなかった!

さて、約500ccの単気筒モデルというと日本ではヤマハ「SR500」なんかが該当します。日本での「SR500」は渋いベテランバイカーが選ぶモデルとなっていますが……コレはアメリカ的にはエントリー向けの排気量になります(例外あり)。

ということで「ブラスト」自身の狙いは、確かにエントリーモデルでありました。そのためコスト低減と扱いやすさ、それにメンテナンスフリー化も狙った設計とされています。オートチョーク機能付きのキャブレターや、ファイナルドライブのベルト化+自動調整機能などが、その象徴であります。そして……最高出力は34ps / 6,500rpm、最大トルクは4.1kg-m / 6,500rpmというエンジンで、重量163kg(乾燥)を引っ張る……ということになりました。結果的に、エントリーモデルとしてはソコソコの成功を収めまして……最も売れたビューエルとはなったワケです。

が……実はこの「ブラスト」、フラットトラックレースでも活躍!……させようと、ハーレー本社が動いたことがあったという事実は、あまり知られていないと思います。フラットトラックレースといえば「XR」が余りにも有名ですが、エントリーレベルのレースでは単気筒モデルが使われています。ハーレーは、それまでオーストリアのロータックス社製単気筒エンジンを使っていたのですが……1999年にホモロゲーションが切れたため、「ブラスト」ベースのレーサーを走らせたのであります。

その結果は……残念ながら見るべきものは無かったようです。詳しい方の情報によりますと「ロータックス製エンジンと比較して、エンジン重量が10kg重いのに、最高出力は65%以下である……」と酷評されたようです……

 

「ブラスト」は今見ると新鮮!

ということで今回は、すっかり日本では無かったことになっているモデル、ビューエル「ブラスト」をご紹介してみました。

今見ると新鮮なデザインですし、珍しい単気筒ロードスポーツですから……もしかしたら……「乗ってみたい!」なんていう人がいるかも知れませんね。

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