似ているようで全然違う!レストア・オーバーホール・リペア・リビルドの違いについて

投稿日:2021-03-12

特に古いハーレーに乗っている方などは、「レストア」や「オーバーホール」といった言葉に敏感だと思われますが、それぞれの語の意味をご存知でしょうか?

今回は、似ているようで全然違う「レストア・オーバーホール・リペア・リビルドの違い」について、お伝えして行きます。ちょっと堅苦しい内容だったり、筆者の主観も交えてしまいますが、予めご了承ください……

 

レストアは修復する・復元する、という意味

さてさて、まずは「レストア」から。英語表記すると「restore」であり、和訳すると、修復する・復元する、という意味になります。ですので例えば「ベースは●年式のショベル。エンジンは新品の社外品パーツで排気量アップ。リヤショックには……」みたいなのは、厳密に言えばレストアではありません。

レストアというのは修復ですから、元々あった状態=オリジナルに戻す作業、であります。なのでレストアとは……

・使える部品は極力そのまま使用する。

・修正すれば再利用できる部品は再利用する。

・交換するなら純正のデッドストック品を優先する。

といった姿勢でオリジナルに近付けることを意味します。もちろん実作業においては、作業の難易度や金銭的な問題もありますが、社外品を投入することもあるでしょう。が、ちょっとレストアという言葉が軽く使われ過ぎているのではないか……と考えたりします。

 

オーバーホールは分解・修理するという意味

続いては、オーバーホール。英語表記すると「overhaul」であり、和訳すると、分解・修理する、という意味になります。ですので、レストア(修復する)とは意味が違っていまして、オーバーホールの場合は「社外ピストンで高圧縮比化しながらエンジンをオーバーホールした」というのが成り立つわけです。オーバーホールという語で主眼が置かれているのは、機能を回復するための修理、ということ。そこにオリジナルへのリスペクトなど、特に必要ないわけです。

オーバーホールという語を使う場合に注意すべきは、「分解・修理する」とあるように、複雑な構造をしたものを、分解して修理するっていうニュアンスが含まれています。ですので、モーターサイクルで言えば、エンジンやリヤサスペンションをオーバーホールすることはあっても、ガソリンタンクの塗面をオーバーホールすることはない、のであります。

 

リペアは修理するという意味

お次はリペア。コチラを英語表記すると「repair」となり、和訳すると、修理する、という意味です。ですので、オリジナルに修復するという意味を持つレストアとは明らかに違う意味の言葉ですが、オーバーホールとは少し似ています。が、リペアが持つニュアンスは、より一般的な修理、といったもの。オーバーホールには分解・修理、というニュアンスがありますから、そこが違いと言えましょう。

なので、家の屋根をリペアする、とか、モーターサイクルであれば、フェンダーの塗面をリペアする、みたいな使い方をします。エンジンはリペアしませんね。

 

リビルドは修理するという意味

最後はリビルド。英語表記すると「rebuild」となり、和訳すると、再建する、再構築する、という意味になります。で、リビルドという単語は一般的には、建築物とか町を再建する、といった意味合いで使われるのですが、乗り物でも使われています。その場合、リビルドエンジン、リビルドモーターといった感じですから、複雑な構造を再び使えるようにする、といった意味がありますね。

 

用語は正しく使いましょう!

ということで今回は、レストア・オーバーホール・リペア・リビルドの意味をそれぞれ説明してみました。あまり堅苦しいこと言っても仕方ないですが、用語は正しく使いたいものですね。

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