ガソリン漏れてない?? オーバーフロー対策とキャブレターの仕組みを理解しよう

投稿日:2021-04-13

旧車だけでなく、年期の行ったモデルに乗っている人なら、キャブレターからのガソリン漏れを経験したことがある人も少なくないはず。

そこで今回は、キャブレターの仕組みを理解しつつ、オーバーフロー対策のポイントをお伝えしたいと思います。合わせて、オーバーフロー対策に使えるパーツ・ケミカルもご紹介しますので、最後までごゆっくりお読みください!

 

キャブレターの役割と種類

まずはキャブレターの役割からお話しますと……キャブレターとは、日本語にすると気化器、であります。ご存知のとおりエンジンはガソリンを燃やしているのですが、ガソリンが液体のままエンジンに流し込まれているワケではなくて、大量の空気と混ぜられて、混合気と呼ばれる霧状になって、供給されています。ということでキャブレターの役割とは、ガソリンを空気と混ぜて混合気にする、ということであります。

次にキャブレターの仕組みですが、よく「キャブレターは霧吹きの原理と同じ」なんて聞きますよね。それが説明しようとしているのは、霧吹きで行っている「人力で空気の流れを生み出す→負圧の差が生じる→水が吹き出る」という原理がキャブレターと同じだよ、という意味です。キャブレターの場合ですと、空気の流れを生み出すのは人力ではなくてエンジンが発生させる負圧です。

エンジンが発生させる負圧に応じて、混合気を供給するキャブレターには、幾つか種類があります。それを順を追って説明して行きます。

 

固定ベンチュリ―タイプ

固定ベンチュリ―タイプというのは、その名の通り、ベンチュリ―が固定されているタイプのこと。以下の過去記事でガッチョリ説明しているので詳細は省きますが、スロットルに連動しているのはバタフライバルブというもので、負圧に応じてこのバタフライバルブが開閉することで、混合気量を決めています。

E、G、B…S&Sキャブレターの違いを2分で知る

 

負圧式可変ベンチャリ―タイプ

コチラは、エンジンからの負圧に応じてベンチュリ―径が増減するタイプです。このタイプも、スロットルバルブに連動しているのは、バタフライバルブです。では、負圧とは何を意味しているのかと言うと、エンジンで生じた負圧を利用して、ベンチュリー径を変化させている、ということです。

 

強制可変ベンチュリータイプ

最後にご紹介するのは、強制可変ベンチュリ―というタイプ。その名の通り、こちらはベンチュリ―を強制的に増減できるものです。その仕組みは、スロットルと連動するのが、ピストンバルブという部品でして、これが上下することでベンチュリ―径を増減する、というものです。

なお、過去記事でリンカート&ベンディックス製品の解説を行っていますので、キャブレターの仕組みにご興味を持たれた方は其方をどうぞ!

マニアックなリンカート&ベンディックスキャブレターのお話

 

キャブレターの仕組みを理解しよう!

さてさて、役割と種類はお分かりいただけたと思いますが、大切なのは仕組みの理解。なので、ここから説明して行きます。

先程まで筆者がしきりにお話していたのは、「空気」「混合気」でしたが、今度の主役はガソリンです。ガソリンは、フューエルタンクからホースを通じてキャブレターに流れて行くわけですが、キャブレターの中に適量が入っていなければいけません。多過ぎても、少な過ぎても駄目。その調節をしているのが、フロートと呼ばれるパーツです。日本語にすると「浮き」でしょうか? 水洗トイレのタンク内にある、あれと同じ原理です。ガソリン量が減るとフロートが下がる。それを満たす分だけ、ガソリンが入って来ると。そういう理屈です。

フロートで量を調節されているガソリンは、先程まで説明した負圧に応じて、ジェットと呼ばれるパーツを通ってベンチュリ―部分で吹き出されて、混合気になって行くのであります。ちなみに、ジェットには、スロージェット、メインジェットと呼ばれるように種類がありまして、エンジン回転速度に応じたジェットが、混合気の濃度を決定しています。

 

コレがオーバーフロー対策だ!

仕組みがご理解いただけたところで、いよいよオーバーフロー対策。キャブレターに適量のガソリンを保たせているのがフロートです、と説明しましたが、逆に言うと、ガソリンが多く供給され過ぎると、オーバーフローを起こす、とも言えます。

で、オーバーフロー対策で一番に行うべきは、パッキン類(Oリング)の劣化です。何故かというと、最も劣化が起こりやすく、かつ修理が簡単だから。まずは何はなくともOリング等をチェックして、可能であれば、そのタイミングで新品に交換してしまうことをおススメします。

 

CVキャブ フロートボウルOリング(92-06)

品番:JGI-27577-92

メーカー:James Gaskets

価格:¥660(税込)

そのOリングというのがコレ! ちなみに上図の中央部分にある凹型部品がフロートです。

ここでご紹介するのは、信頼のガスケットメーカーJAMES GASKETの商品です。ケイヒン製、CVキャブレターのフロートボールに使用します。年式によって形が変わりますのでお気を付けください。
適合 :92年-のビッグツイン。材質 :ゴム系素材(Viton)

さて、Oリングを新品に交換してもオーバーフローが止まらかったら何を疑うかと言うと……次はフロート。長期間を経ると、フロートも劣化して、機能しなくなります。真鍮製だと穴が開いたりもします。ということで、フロートを取り外して確認しましょう。で、問題があったら新品に交換すると。そこで使えるのが……

 

S&S フロート E/G/B/Dキャブ用 ワイヤータイプ

品番:11-2187

メーカー:S&S Cycle

価格:¥3,410(税込)

新品のフロートです。本製品はS&S製のE/G/B/Dキャブレーター用 フロートです。現行のワイヤータイプのニードルバルブに適合します。

さてさて、Oリングやパッキンを変えて、フロートも問題なし、それでもオーバーフローが修正できなかったら……次に疑うべきは……フロートバルブです。フロートバルブというのは、フロートの浮き沈みに応じてガソリンの通路を開けたり閉じたりするパーツなのですが、それが摩耗している可能性があります。それを新品に変えるのですが……

 

ケイヒンバタフライキャブレター用 リビルドキット

品番:JGI-27006-76

メーカー:James Gaskets

価格:¥8,250(税込)

ケイヒンバタフライキャブレーターのリビルドキットを使用しましょう。実は、Oリングやガスケット等、フロートバルブのみならず、オーバーホールに必要なパーツがコレに全部入っています。
適合 :1976-1986年 XL/FL/FLH/FX/FXR、ケイヒンバタフライキャブ装着車

 

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