実は簡単!? ハーレーをハンドシフトにする方法

投稿日:2016-11-15

バイクのクラッチは左手レバーで操作し、シフトチェンジは左足でアップダウン(古い英国車は左右逆でしたが)。これはバイク操作の常識ですが、ハーレーはパンヘッドの時代までフットクラッチが採用されていました。そうです、足でクラッチを切ったり繋いだりし、左手でタンクの横にあるレバーを前後させてシフトチェンジさせていたのです。

ハンドシフトの利点とは?

なぜ昔はハンドシフトだったのでしょうか。理由はクラッチが手で操作するには重すぎたからです。今でも女性などで、ハーレーのクラッチ操作に苦戦している方がいますが、旧車はもっと重たかったのです。そのことから、当時は足でクラッチを操作していたのですが、当然左手でレバー操作した方が簡単ですし、素早くギヤチェンジが出来ます。なのでナックルヘッドの時代から、ハンドクラッチにする社外パーツは販売されていました。その後パンヘッドの中期から、純正でもハンドクラッチが付くようになるのですが、それは「マウストラップ」と呼ばれるフットクラッチのロッドをそのままハンドに切り替え、クラッチの重さを軽減させることが出来たからなのです。

ハンドシフトの種類

ハンドシフトには純正ではタンク横に固定され、何速に入っているかも分かるタイプ、これを「ハンドシフト」と呼び、左タンク下のフレームに固定されたシフトを「ポリススタイル」と呼び、この二つが純正タイプでした。
それをカスタムしミッションからダイレクトにシフトレバーを出したものを「ジョッキーシフト」と呼びます。競馬の騎手が鞭を打つ姿に似ているからと言われていますが、こだわる人はミッションのトップがメカニカルトップだけを”ジョッキー”と呼ぶと言いますが、今はミッションから直接出ているレバーなら”ラチェットトップ”でも”ロータリートップ”でも「ジョッキーシフト」と呼ぶのが一般的です。

シフトクラッチの種類

足で操作するクラッチも2種類あります。「ロッカークラッチ」と「ノンロッカークラッチ」。ロッカークラッチは前後に踏み込むシーソー式で、後ろに踏み込むとクラッチが切れ、前に踏むことで繋がります。ノンロッカーは車と同じで踏み込めば切れ離せば繋がります。
ノンロッカーは一般的に「スーサイドクラッチ」とも呼ばれますが、これも本来はフロントブレーキレスでなければ”スーサイド”とは呼ばないというのが正解ですが、今では「ノンロッカー」よりもフロントブレーキがあっても「スーサイド」と呼ぶのが一般的です。

ハンドシフトにカスタムする方法

簡単に言ってしまえばクラッチを足に移設、シフトチェンジをレバーで行えるようにすればいいのですが、言うは易し、そう簡単には行きません。ショベルヘッドまでならクラッチはロッドを直接シフトペダルにつなげることもでき、運が良ければ簡素なカスタムでハンドシフト化できるかもしれませんが、エボリューション以降はクラッチワイヤーを使うしかなく、シロウトにカスタム出来る範囲ではありません。
以前知り合いがエボの愛車ハーレーを自作でハンドシフトにしようとチャレンジしましたが、フットクラッチは一回踏んだだけでぐにゃりと曲ってしまい、まともに走ることはありませんでした。

エボリューションなら、このキットでハンドシフト化できますが、ツインカムはまだキットが出ていなようです。しかし、ハンドシフト仕様にハーレーをカスタムをしてくれるショップは結構ありますので、ショップに相談すればワンオフでカスタムは可能です。多くのチョッパービルダーがハンドシフト化させるのを見ても分かる通り、ハンドル回りはクラッチレバーが無くなるためスッキリし、何よりも走る姿もカッコいいものです。慣れるまでは緊張感も伴いますが、ハーレーは緊張感がある方が面白いですし、むしろ安全に努めるようになるのではないでしょうか。ハンドシフトが気になる方は、この機会に思い切ってカスタムしてみてはいかがでしょうか。

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