ハーレーも暖機運転って重要なの?

投稿日:2016-11-11

内燃機エンジンを動力としている車でもバイクでも、冷え切ったエンジンを掛けた瞬間にすぐさま走り出すのは大きなストレスをかけることになります。これは常識のようですが、一昔前までの事かもしれません。電子制御された現行のハーレーにその理屈が当てはまるかどうかは、プロの意見でも分かれるところです。しかし空冷エンジンのハーレーは、「オイル」が重要な役割を果たしていることは言うまでもありません。

冷えれば硬いオイル

ハーレーのエンジンオイルは、国産車に比べればかなり粘度が高いものです。特に旧車はシングルグレードの硬いオイルを使用しています。冷えて硬いオイルの中で大きく重たいコンロッドが回りピストンを上下させるのは、ダメージを蓄積しているだけではないでしょうか。そこでやはり旧車の場合は、ある程度の暖機は必要と言えます。というよりもエンジンを始動してすぐにアクセルを開けても低速でしか走れず、何かしらの抵抗感があるはずです。それを無視してアクセルを開け続ければ普通に加速するでしょうが、それも確実にエンジンを痛めさせるだけです。

そもそもなぜ暖機運転が必要なのか?

エンジンオイルもそうですが、昔の車やバイクはエンジンが暖まるまでは然るべき性能を発揮することが出来ない造りでした。なので当然アイドリング状態でしばらく置いて、走り出してからもしばらくは低速走行しか出来なかったわけです。それだから暖機は必要と言うよりも「しなければ走れない」というもので、するかしないかなどという選択肢すら無かったのです。しかし電子制御され冷えていればそれなりの量のガソリンを供給するプログラムが組まれている現在の車両では、暖機は必要ないという意見もありますし、「エンジン内部の動きは、一定温度以上で正常になるのでそれまでは回してはいけない」という意見もあります。しかしそれは車の話で、やはりバイクはオイルが潤滑する時間だけでも、例えインジェクションモデルでも、暖機はした方が良いのではないでしょうか。

エンジンが暖まるとは

旧車やエボまでのキャブレターモデルは、冷えていると混合気がしっかりと作れないという事もあるので、オイルの事も考えると暖機するしかないわけですが、ハーレーのエンジンは冬でも直ぐに熱くなってしまいますし、空冷エンジンなので、走らずにエンジンが回っていれば熱はこもるばかりです。ですので長すぎる暖機も良くないように思いますし、プロメカニックに聞いても「何分間暖機」というような明確な答えも出ません。インジェクションは冷えていても直ぐに走り出せますが、やはりオイルやエンジン内部のことを考えれば暖機は必要かもしれませんが、こちらも明確な答えがありません。エンジンが暖まるまでとはよく聞きますが、暖め過ぎても駄目なのでは?と、結局のところ暖機運転が必要という事までは分かりましたが、正しい方法や目安の時間などは分かりません。

個人差でストレスがないように

ショベルヘッドにS&SスーパーEキャブというセッティングの著者のハーレーを例に、かつ真冬というシチュエーション設定で、暖機方法を記させていただきます。
まずはエンリッチナーを引き上げてキックします。エンジンが掛かったらアイドルスクリューでアイドリングを高めにしてエンリッチナーを戻します。アイドリングを徐々に下げながらいわゆる3拍子が出たら、低速で走り始めます。
どんなに寒い朝でもエンジンが掛かってから、走り始めるまでにかかる所要時間は2分程です。しばらく走るとアイドリングが高いままなので、また徐々に下げていき、適度なアイドリング回転数になれば普通に走り出します。低速走行は長くても3分程です。これがバイクに一番ストレスが掛からない状態ではないかと思います。
時々もっとアイドリング時間が長い方が良いなどの意見も聞きますが、やはり自分と愛車がストレスがないと信じる方法がベストなので、自分なりのベストな方法で暖機しています。どの年代の車両でも個々の性格のようなものはあるので、愛車のハーレーにとって一番いい方法(タイミング)だと信じられる方法&時間を見つける事こそが、ベストな暖機運転なのではないでしょうか。

このページのTOPへ