やっぱチョッパーでしょ!自分のハーレーをカスタムする前に知っておきたいチョッパーの歴史

投稿日:2017-01-27

音楽において、「ロック」という言葉だけでそのジャンルが表現できたのは1960年代までで、その後プログレッシブロックやハードロックなど多様な派生ジャンルが確立されて行ったように、「チョッパー」という言葉もそれに近いカタチで広り、細分化されていく道の途中ではないでしょうか。ボバ―、ドラッグ、バガー、ニュースクール、オールドスクール等様々なジャンルが確立されています。それでもやはり「チョッパー」という言葉には不思議な魅力があります。今回は、そんな愛車のハーレーをチョッパーにするための予備知識として、チョッパーの歴史をご紹介いたします。

チョッパーの起源とは?

「チョップ=ぶった切る」この言葉が語源であることは間違いないのですが、そこに至るには諸説あります。イギリス製モーターサイクルなどの軽くて軽快なモデルに負けないよう、重いハーレーのフェンダーをチョップしていた。アウトローが盗んだバイクだとばれないようにチョップして改造していた。そんないくつかの説があり、各説それなりの信憑性もあるので、すべて正解なのかもしれませんが、ともかくハーレーを”切った・貼った”してカッコ良くしようとすることが「チョッパー」の起源で間違いないでしょう。

フロントを長~く!

チョッパーと聞くと「フロントフォークが長い」という印象を受ける方が多いのではないでしょうか。もちろんそれも間違いではありませんが、それだけでもありません。長いフロントフォークを強烈に印象付けたのは映画『イージー・ライダー』の影響で間違いありません。リジットフレームに小ぶりなタンク、段付きシートにシーシーバー、そして長いフロントフォーク。この映画が与えた影響で、チョッパーの定義がイコール「ロングフォーク」であるという認識が定着してしまったほどです。そしてこのロングフォークチョッパーのスタイルを確立させたのが、ロサンゼルスのカスタム所ぷ「デンバーズ」で、”デンバースタイル”とまで呼ばれるようになりました。

チョッパーの進化

“デンバースタイル”や”LAスタイル”と呼ばれたのがチョッパーの初期だとすると、次に出てくるのが「ディガースタイル」ではないでしょうか。ネックを寝かせストレッチしたフロント周りと、エンジンより後ろ側を別々にまとめたようなスタイルで、名前の由来は”墓堀人”。背中が曲がったようなポジションで乗るからという説が最有力です。次のブームには、やはりドラッグスタイルと、アーレン・ネスなどの出現で進化を遂げてゆくのでした。

進化を止めないチョッパー

90年代に入ると、ともかく車高を下げるスタイルや、アーレン・ネスを代表する、自動車と融合したようなフルカウルの革新的なスタイルが生まれていきました。スムージングや派手なフレイムスペイントなど、ビルダーやペインターたちは次々と新たなカスタム手法を生み出し、そこにハーレー・ダビッドソン製のバイク自体のブームが重なった時代もあり、ある意味歯止めが利かない程に群雄割拠でした。しかしユーザーは冷静です。やはりカッコいいカスタム、パーツ、ビルダーだけが生き残り、その中から日本発信の”ゼロスタイル”などが生まれ、今の時代に繋がって行きました。

自分のハーレーをチョッパーにするには

こうすればカッコいいと思えるカスタムを自分でカスタムしてみる。そんなDIY精神に基づくカスタム意欲こそが、チョッパースタイルの第一歩ではないでしょうか。フロントフォークを自分で伸ばすのはかなり難しいし、危険が伴いますので、プロのビルダー(カスタムショップ)に任せるべきでしょうが、例えばハンドルを高いものに変更するくらいであれば、やってできない事はないでしょう。
つまり、自分が本当に好きなスタイルにカスタムしたハーレーこそが、本当の意味での「チョッパー」なのではないでしょうか。ハンドル、タンク、シートをカスタムするだけでも立派なチョッパーです。「自分には最高のハーレー、でも他人には最悪なハーレー」、それこそが本当のチョッパーの定義なのかもしれません。

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