【不朽の名作エンジン】〜レボリューション・レボリューションX編〜

投稿日:2024-06-21

ハーレーの歴代エンジンを振り返る【不朽の名作エンジン】シリーズとして、前回はエボリューションをご紹介しました。

【不朽の名作エンジン】〜エボリューション編〜

エボリューションは、デビュー当時はスチールからオールアルミへの変更が揶揄されましたが、ハーレーが狙った通り、信頼性が高く、空冷大排気量Vツインエンジンの伝統を次世代にしっかりと引き継ぎました。

今回はレボリューション&レボリューションXについて、ハーレーが投入した水冷エンジンをご紹介してきます。

 

レボリューションはハーレー初の水冷エンジン!

空冷Vツインエンジンをアイデンティティとしてきたハーレーダビッドソンが、2002年に登場した「V-Rod」(2003年モデル)に搭載した「レボリューション」は水冷DOHC V型4気筒(挟角60度)。まさにレボリューション=革命的な出来事でした。

この水冷エンジンの登場は唐突なものではなく、実はハーレー本社が長らく温め続けてきたものです。1990年代から、AMAスーパーバイク選手権に参戦するレーサー「VR1000」用として水冷エンジンを開発し、レース参戦を続けながら改良を重ねてきました。

一方で、1990年代以降、年々厳しくなる排ガス規制・騒音規制への対策として、ハーレーをはじめとする各メーカーは空冷エンジンの開発に頭を悩ませていました。その証拠に、空冷大排気量エンジンが徐々に減少していったのです。当時から空冷エンジンの開発は困難になりつつありました。

しかし、レボリューションエンジンの立ち位置は、こうした排ガス規制・騒音規制への対策とは異なります。それはハーレー創業100周年モデルに搭載される、革命的なエンジンだったのです。その革命的なエンジンは、実際に圧倒的なパフォーマンスを発揮しました。

また、ポルシェが開発に協力したとも言われていますが、実際にはエンジン試験の分析などの協力程度だったと言われています。レボリューションは、ハーレーが100周年を記念して、本気で開発した水冷エンジンだったのです。

 

レボリューションのスペック

初代V-Rodに搭載されていたレボリューションのスペックをご紹介します。冷却方式は水冷、バルブ駆動方式はDOHC、排気量は1,131ccです。ボア×ストロークは3.94インチ×2.83インチ(100.00mm×72.00mm)、かなりのショートストロークエンジンです。圧縮比は11.5:1。

最高出力は115hp(86kW)、最大トルクは84.0 lbf⋅ft(113.9Nm)@ 7,000rpmで、後輪でも約100Nmを発揮しました。

 

レボリューションの終焉

今見ても極めて斬新かつ美しいV-Rodですが、必ずしもハーレー・バイカーに愛されたわけではありませんでした。それでもハーレーは粘り強くレボリューションの開発を続けました。2008年からはボアを100mmから105mmへと拡大し、排気量が1,247ccにアップ。それに伴い、クランク軸での最高出力も92kWへと向上しています。

写真は最終モデルとなった2017年「Night Rod Special」です。本モデルを最後にひっそりと姿を消すことになりました。

 

レボリューションXが登場!

MY19 XG750 Street 750. Street.

時は前後しますが、2013年11月、EICMA2013(ミラノショー2013)でハーレーは水冷エンジンを搭載した新たなモデルを発表しました。これが2015年から日本で発売された「ストリート750」です。

このエンジンはレボリューションXと名付けられました。排気量749ccの水冷エンジンで、ボア×ストロークは85mm×66mmとショートストロークです。しかし、レボリューションのような圧倒的なパフォーマンスが与えられることはなく、エントリーライダー向けのエンジンとなっていました。

 

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