なぜ点火系カスタムでマグネトーを選ぶ人が多いのか?

投稿日:2017-05-12

ハーレー乗りならば、ハーレーの点火システムのカスタムについて興味のある方も多いことでしょう。また、それと同じくらい点火システム?何それ旨いの?というくらい知識のない方もいることと思います。

そこで今回はハーレーの点火システムを紹介すると同時に、点火系カスタムでチョイスされることの多いマグネトーについて語ってみましょう。

 

ハーレーの点火システム

1960~70年代のハーレーにはアナログ方式で点火時期を管理する「ポイント点火システム」が採用されてきました。コンピューターを使わない機械式の点火システムのことで、点火が安定しない代わりに安価で、交換し易いというメリットがあります。

1978~79年になると一部をコンピューターでコントロールする「セミトランジスタ点火システム」が採用され、1980年以降は全てをコンピューターで管理する「フルトランジスタ点火システム」が採用されています。メンテナンスフリーで強い火花を正確に飛ばすことができ、スムーズな点火を実現できるのが特徴ですね。

特殊な方式として挙げられるのが、冒頭でも取り上げた「マグネトー点火システム」になります。

 

マグネトー点火システムとは?

ハーレーは基本的にバッテリー点火なのですが、「マグネトー点火」のみ例外で、バッテリーからの電源供給を必要としません。簡単に言えば発電機とコイル、ガバナーが一体となった着火装置です。そのシンプルな構造ゆえの耐久性、メンテナンスの利便性やバッテリーを省略して軽量化できる等の利点があり、主にレース車両に使われていました。

ハーレーでも、ファクトリーレーサーのWRや1958-69年のXLCHにはフェアバンクスのマグネトーが採用されていました。

 

マグネトー点火システムの魅力

マグネトーの利点は上記した通り、シンプルな構造故の耐久性とメンテナンスのし易さにありますが、エンジンの回転が上昇するにつれて火花が強くなり、着火効率・燃焼効率が向上するという魅力もあります。

しかし、最大の魅力はレースマシンに採用されていたという、メカメカしい外観と独特の雰囲気ではないでしょうか。見ているだけでテンションの上がるパーツチョイスに加え、エンジン始動にもコツが必要というマニアック感が、主にオールドスクール系のバイカーに受ける原因の一つではないかと思います。バッテリーレスでシンプルな外観を造るにも最適のパーツと言えるでしょう。

低回転時の点火にも難があるというマグネトー仕様+ハイコンプエンジンをキックでかける玄人カスタム。生半可なバイカーにはマネのできない漢のカスタム感が、ハーレー乗りの感性にベストマッチしていることも、その要因ではないかと思います。

興味が出てきたという方は、セルを捨ててキックオンリーの漢のハーレーライフを送ってみてはいかがでしょう。

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