エンジンが止まりそう!? ハーレーのアイドリングってどこまで下げていいの?

投稿日:2017-06-09

ハーレーを象徴づけるモノは幾つもあるとは思いますが、やはり、ハーレーと言えば独特のエンジンサウンド……ドドドッ、という三拍子を連想するという方も多いのではないでしょうか。

実際、ハーレーサウンドに心奪われ、ハーレー乗りになったという方の話も少なからず伺っています。そこで今回は、ハーレーの三拍子と密接な関わりを持つアイドリングについて語ってみようと思います。

 

三拍子はきっちりと出ない?

いざ、ハーレーを愛車にしてみると気づくと思いますが、思いの外、ドドドッ、という綺麗な三拍子は出せないものです。では、どうすれば三拍子は出せるようになるのでしょう。正解は……アイドリングの回転を下げることです。アイドリングの回転を下げると、特に旧車のハーレーはほとんど皆、綺麗な三拍子を奏でるようになります。

もちろん、アイドリングを下げての低回転になるので、速度が変動することはありますが、”安定して”三拍子を奏でる姿は、まさに”ザ・ハーレーダビッドソン”といった雰囲気をもたらしてくれます。ちなみにハーレーの本場アメリカでは、三拍子のことを「ポテト・サウンド」呼んでいます。彼らの耳にはドドドッ、が、ポ・テ・トと聞こえるからだそうです。さすが「ワンワン」が「バウワウ」と聞こえる国ですね。

 

現行車では三拍子は無理?

2007年以降のハーレーは全モデルにECM(Electric Control Module)、電子制御システムが採用されたことにより、あの独特のハーレーサウンドを奏でるには、サブコン、フルコンなどを使ったチューニングでアイドリングを下げるなどするしかなく、あまりオススメできません。ただ、単純にアイドリングを下げるだけでも大変な労力が必要になると、頭の隅に入れておいていただければと思います。

 

アイドリング回転数とは?

そもそも、三拍子を再現できる回転数がどれくらいの回転数かと言うと……900回転以下になります。つまり、アイドリングを900回転以下で調整すれば重厚感溢れるハーレーサウンドが再現できるというわけです。ちなみに、一般的なアイドリング設定値は約1,000〜1,100回転ほどですので、やはりかなり低い設定となりますね。

つまり、アイドリングを900回転以下にまで下げれば止まりそうで止まらない、重厚感溢れるハーレーサウンドが再現できるというわけですね。

 

百害あって一理なし!?

確かに、今にも止まりそうなほどの低回転でも止まらずにアイドリングできるのは、三拍子が聞こえるだけでなく、燃料系や点火系を含むエンジンの調子が良い証拠と言えなくもありません。しかし、それにより、思わぬトラブルの元になることがあります。その一つが潤滑不良です。

アイドリングを下げすぎるとオイルポンプの回転が下がり、油圧が低くなって潤滑不良が生じる可能性があります。特にこれから訪れる夏場は、冬場よりもオイルの粘度が低下して油圧が上がり難くなっています。そんな状態のエンジンに、今にも止まりそうなアイドリングを強いるのはトラブルの原因となりかねないのです。冷却水やエンジンオイルの流量を低下させ、水温や油温の上昇を招く可能性もあります。特に空冷エンジンはその傾向が顕著に表れます。

また、アイドリングを下げすぎると、各部の振動も大きくなり、エンジンや車体の各部に弊害が及ぶ場合もあります。

 

まとめ

アイドリングを下げれば、ハーレーらしい三拍子が再現できるようになりますが、やはり適正回転数が1,000〜1,100回転であるバイクを無理矢理、900回転以下に落とすには、それなりにリスクも生じるというわけですね。決して低回転でのアイドリングを試すなというわけではありませんが、頭の隅に入れておいていただきつつ、独自のサウンドを堪能していただければと思います。

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