4速フレームに角フレーム…歴代ハーレーにみるフレームの違い

投稿日:2016-06-21

フレームはバイクの骨格。これがなければバイクは走れません。エンジンを乗せ、フロントフォークを付け、スイングアーム、リアショック、すべてがフレームに直接付けられています。その骨格も時代によって様々な形へと進化をしています。ハーレーは自転車にエンジンを付けたものから始まり、シングルエンジンへと進化して行くのですが今回のフレーム講座では、OHVエンジン、現在のビッグツインエンジンが始まった1936年ナックルヘッドから始めたいと思います。

色褪せることのないカッコ良さ

フレームは、先に挙げたようにバイクの骨格ですが、現在のフレームは衝撃吸収という役割も兼ねています。ナックルヘッド当時のフレームは「リジッドフレーム」と言われるシンプルな構造のもので、衝撃吸収という概念がありません。

自転車を想像していただければ分かりやすいのですが、自転車はサスペンションがないので、大きな段差を超えるとかなりの衝撃があります。これと同様に、リジッドレーム段差を乗り越えれば衝撃が直接伝わります。フレーム自体がしなり多少の衝撃は吸収しますが、それでも現在のサスペンションに比べたら激しい痛みも我慢しなければなりません。

そこで、シートポストにスプリングを付けるなどの対応がなされていました。そんなリジッドフレームですが、やはりカッコ良さは今でもカスタム車両に使われるのを見ればお分かりいただけるでしょう。

エンジンがナックルヘッドからパンヘッドへと進化し、しばらくはリジットフレームが続きますが、1958年に「デュオグライド」が登場し、スイングアームとリアサスペンションが登場します。

スイングアームとサスペンションの登場

それ以前に、現在のスポーツスターの元祖である「Kモデル」には、スイングアームとサスペンションが装備されていましたが、ビッグツインでは、1952年からの登場となります。

一般的にこのフレームから「4速フレーム」と呼ばれますが、正確には58年から64年までのフレームと、65年以降のフレームには微妙な差があります。1965年の最後のパンヘッドは「エレクトラグライド」と呼ばれセルモーターが付けられます。その分のスペース確保のためにネック部からタンクの下を通るフレームの角度が違うので、画像などで見比べてみて下さい。

4速フレームとその他のフレームの登場

エンジンはパンヘッドからショベルヘッドになりましたが、4速フレームに一部の補強を加えてそのまま受け継がれます。最近では4速フレームのカッコ良さが見直されていますが、アフターパーツのハードテイルを溶接し、4速フレームをリジット化されたバイクも数多くあります。それを「ハードテイル」と呼び、純正のリジッドフレームと区別されています。

ショベル時代にはその他にFXRフレームが登場します。ネック部とサイドの三角窓のような作りが特徴的で、より強度を持たせ、激しい走りにも対応できるようになりました。またツーリングモデルの先駆けFLTなども登場し、独自のフレーム構造が与えられています。

原点回帰のソフテイル登場

リジッドフレームのカッコ良さは誰もが認めるところです。しかし現在の交通事情では衝撃吸収のないフレームは車検にも通らないし、使用することが出来ません。そこで1984年から登場したのが、非常に画期的な構造のソフテイルフレームです。リジッドフレームに限りなく近い見た目でありながら、車体の底にサスペンションを付けることで、衝撃を吸収できる作りになっています。

AMFに合併されていたハーレー社は、自社でもう一度独立し、このソフテイルフレームとエボリューションエンジンで大ヒットし、現在に続いています。いわば会社を救ったフレームと言っても良いのではないでしょうか。

それ以外にも、ダイナフレーム(角フレーム)、スポーツスターフレームなども生まれています。また、サイドバルブにも使われていたWLフレームもあったりと、細かく分類すると他にもあるのですが、ハーレー社のフレーム遍歴としては「リジッドフレーム」「4速フレーム」「ソフテイルフレーム」が主な流れです。

フレームの良さをより活かすパーツ

リジッドフレームはカッコいいけれど、腰にきつい。という方にはスプリングが有効です。


その他にもヘタってしまったショックを新しくするだけで、乗り心地が激変します。

 

シートを変えるのも乗り心地と見た目を劇的に変えられるので有効的な手段です。

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