マイナスとプラスどっちが先なの?? 知られざるネジの歴史

投稿日:2020-01-21

ネジ……モーターサイクルでも各部に使用されていますが、これ程にその存在が認識されていないパーツもないのではないでしょうか?

そこで今回は、そんな日陰者の極みのような存在でありながら、実は豊かで興味深い歴史を持つ、ネジについてご紹介してみます。

 

ネジの起源は……所説あり!

 

さて、堂々とネジの歴史について紹介すると言ってはみたものの、筆者はネジの歴史に造詣が深いわけでもなんでもありません。そこで色々とGoogleさんに聞いてみたわけです。すると、面白い事実が浮かび上がりました。

そもそもネジとは何ぞや……と言いますと、それは、物を接合するために用いられるネジ山が切られた物体のこと。ポイントは「ネジ山」にあります。で、その起源については、いつもの通り、業界団体さんのウェブサイトを覗いてみたのですが……コレが何の役に立たない!日本ねじ工業協会さん、しっかりしてください!

ところが……『ガンバレ!姫路のモノづくり 電子じばさん館』さんのウェブサイトが秀逸でした。曰く……

起源として考えられている代表的な説は、巻き貝をヒントにしたという説と、木に巻き付く蔓植物をヒントにしたという説があります。

筆者は巻貝が原初だと聞いたことがあったのですが、蔦植物をヒントにした、という説もあるようです。いずれも自然物が由来となっていると……人間って偉いもんですね。

 

締結用ネジ最古の文献はレオナルド・ダ・ヴィンチ執筆

続いてネジの歴史で面白い記載があったのは、日東精工さんのウェブサイト。曰く……

レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452年~1519年)が残したノートの中にタップダイスによるねじの加工原理がスケッチされています。これがねじを締結用として利用した最古の記録となっているそうです。

だそうです。さすが天才!世界最古のネジの文献が、ここに明らかになりました。タップとダイスを用いたネジは、1500年頃にはヨーロッパで使われていたっぽいのであります。これは日本でいうところの戦国時代。なかなかに味わい深いものがあります。

 

日本への伝来は鉄砲と共に!

さてさて、戦国時代の必須アイテムといえば種子島=鉄砲なわけです。鉄砲を作るには、鉄をつくる技術(製鉄と鍛造)、それに加工技術が必要になります。日本にはそれより昔から鉄を作る技術はあったのですが、加工技術として新たに伝わったのが、このネジというわけです。銃底を塞ぐためにネジが使われていたのであります。

そして時代は流れて明治時代。以下、再び、日東精工さんのウェブサイトを引用・要約させていただきますと……

遺米使節団として世界一周をした小栗上野介が、ワシントンの造船所の技術を見て驚きます。日本の技術、いってみれば国力が、欧米のそれに到底及ばないことを悟り、「こういうものをどんどんつくれる国にしたい」と……

その際に持ち帰ったのが1本のねじだったそうです。そして帰国後、横須賀製鉄所着工に尽力してから造船所の建設に携わり、鉄道、新聞、ホテルに株式会社と近代化の礎を築いたそうです。アメリカから持ち帰った「ねじ1本」が日本の近代化を後押ししたと言えます。

なるほど……小栗さん、覚えておきたいっすね!

一方で、大田区池上のネジ卸商、富田螺子株式会社さんのウェブサイトも、実に詳しく、しかしまとまりなく、ネジの歴史について書いてくださっています。それによりますと……

1549年に来日した宣教師フランシスコ ザビエルが1551年に大内義隆に送った機械式時計(自鳴機)に利用されているねじ類が、日本に伝わった最初の締結用ねじだったようです。

ということで、日本へのネジの伝来に関しても、所説あり、ということのようです。

 

ネジの規格対決がぼっ発!

ということで、歴史上の大人物が次々と登場しましたが、その後は、イギリスとアメリカでネジ規格に関する対決があったそうです。なのですが、とある事情により、ついに国際規格が成立しました。その辺の事情について、再び富田螺子株式会社さんから引用・要約させていただきます。

第二次大戦では、アメリカとイギリス連合軍内でねじ規格相違により武器の互換が取れなかった反省から1943年以来アメリカ イギリス カナダで共通ねじ規格に関する検討を行い1948年にユニファイねじに関する協定を行いました。後にこの規格は一般民需にひろがっていきます。

1947に設立した ISO(国際標準化機構)は 1957 ISAメートルねじとユニファイねじを採用しISOメートルねじとISOインチねじになりました。インチ系が残ったのは、軍事向けの航空機規格(MIL)の影響が大きかったようです

なるほど……それで未だにメートルネジとインチネジがあると……そういう訳でしたか。

とういことで、今回は他力をフル活用しつつ、ネジの歴史についてご紹介してみました。プラスとマイナスの話題はゼロでしたが……結構面白いですよね?

 

画像参考-Unsplash
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