ハーレーカスタム講座~ブレーキ

投稿日:2015-03-12

ショベルヘッドやパンヘッドなどの旧車のエンジンフィーリングを「味」と感じても、止まらない旧式ブレーキを「味」と思う人はいませんよね。
ここでは、ライダーの安全を守るブレーキの強化やカスタムについて紹介します。

新旧のブレーキシステムの違い

現行モデルのハーレーならシングルディスクでも不満のないレベルだと思いますが、年式の古いモデルのブレーキは少し頼りないところがあります。
ディスクブレーキの構造は、油圧でパットを押し出してディスクを挟むと言うシンプルなものです。1999年までのモデルは、油圧でピストンを押し出すと、キャリパー全体が動き、両側からローターを挟む「片押し1ポッド」と呼ばれる構造が採用されていました。2000年以降は、向き合った4つのピストンがブレーキパッドを押し出す「対向4ポッド」に変更されています。これにより純正ブレーキの制動力は格段にアップしました。

ブレーキパットを変更する

ブレーキ強化のカスタムとして、ブレーキパットを交換してみましょう。ブレーキパットの材質は、主にレジン(ノンメタル)、セミメタル、メタル(シンタード)の3つがあります。それぞれの特性は、以下になります。

・レジン(ノンメタル・オーガニック)

価格的には一番リーズナブルで、繊維系の非金属素材を使用しているため、ローターに対する攻撃性が低く、ローターの消耗がゆるやかです。ブレーキのタッチがソフトでコントロール性が高い半面、他の材質と比べると制動力に劣ります。

・セミメタル

樹脂に金属粉を混ぜた素材を使用したベーシックなタイプ。レジンに比べて、低中速から高速まで安定した制動力、雨天での安定性を発揮します。

・メタル(シンタード)

メタル素材を高温で焼き固めて製造されたタイプ。レジンの効き目が「ふわっ」といったものなのに対し、メタルは「ガツン」と効きます。金属製なので熱に強く、水を吸わないため、雨の日も性能の低下が少ないという特徴があります。

パットを変えるだけで、ブレーキの効きの違いに驚くと思います。もし純正パッドの効きに不満なら、思い切って社外品に変えてみるのも良いでしょう。

ブレーキレバーを変更する

ブレーキレバーの位置が遠かったり、重かったり、短かすぎたりといった不具合によって、適切なブレーキングが行われていない場合があります。
握り幅を調整できるレバーに交換するなど、自分の手の大きさや握力に合わせて、力がしっかり入るようにカスタムしましょう。

キャリパーを変更する

前述した2点をカスタムしても制動力に不満があるのであれば、キャリパーを交換するのが得策です。社外品の6ポッドのキャリパーに交換すれば、制動力が変わります。
ハーレーに日本製部品を使うことに難色を示す人もいますが、大手国産メーカーのキャリパーは高い性能を発揮しますので、検討してみても良いでしょう。
キャリパーを交換する場合は、その性能に合わせて、パットやマスターシリンダー、ローター、ブレーキホースなどもカスタムする必要があります。

バイクは、ひとつひとつのパーツのバランスによって成り立っています。ブレーキをカスタムする際には、フロントフォークの見直しも必要になりますし、タイヤの性能も考慮しなくてはなりません。
一度にすべてを解消することは難しいため、ポイントを絞って少しずつカスタムを進めていってください。

このページのTOPへ