ハーレーの排気量アップ、インジェクションのチューニングについて

投稿日:2014-11-04

ハーレーは2007年に、全車種にインジェクションが採用されました。エンジン内部の負圧によって燃料を吸い込むキャブレターに対し、インジェクションは電子制御によって燃料を強制的にエンジンに送り込む方式を採っています。そのため、どのような天候条件でも性能を発揮し、低燃費を実現します。
以前は自分でメンテナンスしやすいことから、キャブレターが人気でしたが、最近ではパソコンやボタン制御で簡単にセッティングできるインジェクションのチューニングが話題となっています。

チューニングの必要性

インジェクションもキャブレターも、エンジンに燃料を送り込む役割をすることに変わりはありません。しかし機能は大きく異なります。機械仕掛けの霧吹きがキャブレターならば、それをコンピューターで制御するハイテク機器がインジェクションです。
インジェクションには、エンジン制御をするためのコンピューターが搭載されています。ハーレー社ではこれをECMと呼んでいます。エンジン回転数、スロットルの開き具合、温度、ガソリン噴射量、点火タイミング等がECMによって制御されることにより、適切な走行状態をつくります。まさにコンピューターがインジェクションチューニングのカギを握っているといえるでしょう。
エンジンチューニングやマフラー交換で排気量を上げた場合、インジェクションのカスタムが必要となります。なぜならノーマルの状態にプログラミングされているECMでは、カスタムの状態に適合していないからです。インジェクションだけノーマルの場合でも走らないことはないですが、せっかく変えた他のパーツの機能が生かしきれないだけではなく、オーバーヒートを起こしやすい状況になります。それを防ぐためにはインジェクションのチューニングが必要となります。

チューニング方法及び特性

インジェクションのチューニングにはいくつかの方法があります。ここでは代表的な方法と特性を紹介します。

・フルコン

純正のECMから社外品のコンピューターに変更して、プログラミングする方法です。O2センサー(エキゾーストパイプで排気ガス中の酸素濃度を感知し、その情報をコンピューターに送る装置)を、周波数帯域が狭いナローバンドから周波数帯域が広いワイドバンドタイプに交換することで、空燃比を自由に設定・調整することができます。

・ノーマルのコンピューター・データを変更する

純正のECMをそのまま使い、データだけを書き換えます。社外品の場合は適合車種を気にする必要がありますが、この方法だとその必要がありません。プログラムの変更はパソコンに専用ソフトをインストールして接続します。自分で行う場合は、ある程度パソコンの知識が必要となりますが、細かい設定まで自分で行う事も可能です。コストを押さえることができるうえに、フルコンと同様の機能が得られます。

・サブコンタイプ

ECMに接続して使用します。フルコンやECMデータ変更に比べて安いですが、燃調しかできません。

・燃料補正タイプ

コンピューターからインジェクターに送られる燃料噴射のパルスを直接変更する事で、おおまかに濃くする、薄くするといった燃調の補正を行うことができます。

前述したとおり、インジェクションを変えただけでは、ハーレーの性能を十分にアップできるわけではありません。他のパーツのチューニングも必要となります。トータルなバランスを取るためにも、信用のおけるショップにご相談されることをお勧めします。

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