ハーレーの排気量アップ、エンジンのチューニングについて

投稿日:2014-11-04

市販のオートバイの中でも、特に大排気量のモデルがラインナップされているハーレー。スポーツスターで883cc、または1200cc、ビッグツインだとナックルヘッド時代の1000cc&1200ccから、現在では1584cc、1801ccなどという排気量を誇ります。
にもかかわらず、モアパワーを求めて排気量アップに挑むオーナーは少なくありません。
パワーやトルクをあげる場合、ボアアップまたはストロークアップで排気量を上げる方法があります。排気量とは、シリンダー内部にどれだけ混合気を吸入できるのかを示す数値です。日本車での単位は、立方センチメートルまたはccで、アメリカなどでは立方インチで表します。また排気量は、ピストンがもっとも下がった状態でのシリンダー内部の容積×気筒数で算出されます。この数値をあげるための代表的なカスタムが、ボアアップまたはストロークアップなのです。

エンジンの仕組み

エンジンの仕組みを簡単に説明しておきましょう。キャブまたはインジェクションから発生した混合気が噴出され、エンジン内のシリンダー(円筒)で爆発します。爆発により高温と高圧が発生し、それがシリンダー内のピストンを勢いよく押し下げます。このシリンダーの直径をボア、ピストンが上下する幅をストロークと言います。その力がクランクとギアを通して回転する力となり、タイヤを回すというのがエンジンの仕組みです。内燃機関とも言い、エンジンを動かすためには、実に理にかなったシステムです。

ボアアップ&ストロークアップの方法

単純に言えば、パワーを出すには大きなエンジンにすればいいのです。ボアアップは、ピストンを大きな口径にして、それに合わせてシリンダー内径をボーリングすれば可能です。ただしストロークアップは、クランクケース内部のパーツをすべて交換する必要があるため手間が掛かります。ハーレーには、ボア&ストロークアップが行えるキットパーツが純正でも社外品でも発売されています。約10万円以上もする高価なパーツですが、ボアアップだけとは違うフィーリングを楽しむことができます。
話は逸れますが、カワサキの名車「ZⅡ」は輸出仕様の「ZⅠ」と同じ車体・エンジンながら、900ccから750ccに排気量がダウンされています。これは当時の自主規制に合わせた配慮ですが、それに従い開発チームは、排気量がダウンしても乗り味をスポイルしないように、ボアアップだけではなく、ストロークの変更も譲らなかったと言われています。

ボアアップ&ストロークアップの注意

あのドコドコと言うサウンドは、エンジンの構造に関係しています。ハーレーのエンジンストロークは国産モデルよりも長く作られていて、そのストロークがサウンドを奏でているのです。しかしストロークを長くしすぎると、1回の爆発でピストンが上下に移動する距離が長くなり、回転数を上げられなくなります。そして最も注意が必要なのは、エンジンへの負担を軽減しなければいけない点です。排気量のアップにあたり、より多い燃料供給、より効率の良い排気を行わなければ、アップした排気量分のパワーを100%引き出すことができません。さらにピストントップの形状が変わるような場合には圧縮比も変わってしまいますので、点火タイミングなどの調整も必要になります。
吸排気と点火のリセッティングを必ず排気量アップとセットで考え、「どのようなエンジンにしたいか」について実際に作業を行うショップとよく相談することをお薦めします。

なお当店では、排気量アップに伴う様々な部品をご用意しております、また、在庫のない商品でも1-2週間でUSAより空輸にて調達できます、お気軽にご相談ください。

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