ハーレーの排気量アップ、マフラーの交換について

投稿日:2014-11-04

野太い排気音。それはハーレーそのものです。ハーレー社が商標登録しているたけあり、その重低音は、まさにサウンドです。その音の良さに惹かれてハーレーのオーナーになられた方も少なくなはないでしょうか。
もちろんマフラーは、素晴らしいサウンドを奏でたり、ルックスを引き立たせるだけのパーツではありません。排気ガスの流れを妨げる抵抗(背圧)を利用することで、発進時や加速時に有用なエンジン特性を持たせる装置です。そのため、かっこいいマフラーに付け替えればカスタム完了というわけには行きません。ここでは排気量アップに伴うマフラー交換についてご紹介いたします。

マフラーの構造と機能

前述したとおり、マフラーは効率よく排気ガスを排出させる機能と、適度な背圧を与える機能のバランスを考慮して設計されています。基本構造はエキゾーストパイプとサイレンサーの組み合わせです。サイレンサーは文字通り爆発音を軽減するための装置で、エキゾーストパイプはサイレンサーまで排気を導く役割を果たしています。消音のためにサイレンサー内にバッフル(消音材)を入れるのですが、これがあることで背圧を与える機能が少しだけダウンしてしまいます。もちろん設計者はこの矛盾に挑戦し続けているので、最近ではグラスウール製やパンチングメタルなど、バッフルは材質・機能ともに向上しているので、体感できるほどのダウンではありません。

排気量アップに伴うマフラー交換

純正マフラーは、ノーマルの特性に合ったセッティングがされています。それをさらにパワーアップするためにカスタムするわけですが、マフラーの排気効率が良いほど、エンジン性能は引き出されるわけではありません。なぜなら排気効率がよすぎるマフラーや、サイレンサーがない直管タイプの場合、混合気が完全燃焼する前に排出されてしまいますので、トルクがなくなりスカスカな状態になります。また、マフラーには排気ガスをクリーンにする役割もあるので、そのまま走ると大気中に有害物質を撒き散らす迷惑バイクとなってしまいます。
つまりパワーアップのためには、エンジンに合わせた適正なマフラーを装着する必要性があるのです。もちろんマフラーを変えるのなら、キャブレターやエアクリーナーなど他の吸気系部品とのバランスも必要となりますので、同時にこれらのカスタムも予定に組み込まなくてはなりません。

マフラーの交換にあたって準備しておきたいもの

マフラー周辺に使われているネジはすべてインチサイズなので、ミリ単位の工具ではなく、インチ単位の工具が必要になります。車載工具だけでは足らず、ディープソケット、ソケットレンチの長い版などがおすすめです。マフラーの交換以外でも使用頻度が高く、使い勝手が良いものなので、割安なセット購入ででも手に入れておきましょう。

マフラー交換にあたっての注意事項

作業は当然、冷えた状態、車体が安定した状態で行ってください。サビで固着してしまったマフラーを力づくで抜こうとして車体を倒してしまった……、などということがないように。潤滑剤を用意しておけば、こういったトラブルを回避することも可能です。

取り付け自体は簡単です。クランプ類、ガスケット類などを忘れていないかチェックし、差込み、車体結合部、マフラー結合部を締め付けるといった作業があります。
フルエキの場合は全部の交換になりますので、マフラーにより作業の難易度が変わります、当店までお気軽にご相談ください。

マフラーの種類

ここではマフラーのタイプを紹介します。実際の機能や音、車両とのマッチングは、オーナーズミーティングなどで、オーナーに尋ねてみると詳しい情報が得られると思います。エンジンとの相性を考慮せずにスタイルだけで選ぶと、ヌケが悪くなる、吹け上がりが悪くなるなどの走行機能の低下や、燃費の悪化につながりますので注意してください。

・テーパード

テールがすぼんだオーソドックスなスタイルのマフラーです。

・ストレートパイプ(ドラックパイプ)

ほぼ直管に近い直線的なマフラーです。音が大きめですので使用には注意が必要です。

・ショットガン

地面と水平に並んだストレートパイプのマフラーです。

・ターンアウト

排気口が横にレイアウトされている個性的なマフラーです。

・アップスイープ

文字通りエキゾーストパイプの後方が上向きになっているマフラーです。

・ツーインワンスタイル

FLに純正として使われていたマフラーです。飛行機の尾翼のようなフィッシュテールサイレンサーが簡単に付け替えられます。

適切なセッティングをするためにも、信頼できるショップにご相談されることをおすすめ致します。当店では様々なマフラー、補修部品、ガスケット、燃料調整に必要なジェット類やサブコンなどご用意してあります、お気軽にご相談ください。

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