やばい、エンジンがかからない…最終奥義!ハーレーで押しがけする方法

投稿日:2016-10-07

冬場の朝。寒さでバッテリーが弱ってしまい、セルが回らずエンジンが掛からない…、またはキックオンリーのハーレーでも、火は飛んでいるのに何度キックしてもエンジンが掛からない…、そんな方々。そのままセルを回し続けてもバッテリーの電力を消費するだけです。闇雲なキックも自身が疲れてしまい、走行に支障をきたします。

掛からないときの最終手段

バッテリーが弱っていたり、キックしても掛からないときの最終手段、それはハーレーを押してエンジンをかける「押し掛け」です。

押し掛けの仕組みとしては、まずギアを2速か3速に入れてイグニッションスイッチをオンにし、クラッチを握りバイクを押します。ある程度のスピードに乗ったところでクラッチをつなぐと、ギアが入っているので一次のプライマリーチェーンやベルトが回り、クランクも回ります。そうすると当然ピストンが上下するため、プラグから火花が飛びエンジンが掛かるという仕組みです。慣れれば自分一人でもできますが、安全面や疲労度を考えると、2〜3人に押してもらい自分はハーレーに跨った状態で押し掛けするのが理想です。しかし、押し掛けにも注意点はあります。

ミッションにストレスが…

キックを見ると分かるように、そもそもハーレーのエンジンスタートはミッション側を回してクランクを回します。セルでも最初はミッション側のギヤを回しています。なので、押し掛けの理屈も普通のエンジンスタートと変わらないのですが、通常の場合はニュートラルで一次駆動のチェーンやベルトを回しますが、押し掛けはギヤが入っている状態、そこに大きな違いがあります。よって、勢い良くギアをつなぐ押し掛けは、ミッションに大きなストレスをかけます。アイアンスポーツなどはミッションがビッグツインに比べ強くないので、基本的に押し掛けはしない方が無難でしょう。一発でミッションが壊れ、オーバーホールという場合もありますので。

それでも押し掛けをするときは

押し掛けをするときにはクラッチを一気につながず、気持ちだけでもそっとクラッチを放しましょう。ギヤを入れてクラッチを握ると押すのも少し重くなるので、ニュートラルで押してスピードが乗ったところでクラッチを握らずに、いきなり2速に入れるというのが、実はエンジンが掛かりやすかったりしますが、ミッションの事を考えるとやめておいた方が良いでしょう。

押し掛けの要は、ギアがつながっときの力です。当然ギアが繋がればかなりの抵抗がかかりますが、そこでもうひと押しすることでクランキングしてエンジンが掛かります。そのコツを掴んでしまえば割と簡単に出来ます。下り坂の惰性でも簡単に掛けられます。スーサイドクラッチの場合は、押してくれる人がいるか、下り坂がある場合でないと慣れても難しいです。無理してひとりで押す、飛び乗る、ギヤを入れるのは危険ですのでやめましょう。

それでも掛からない

押し掛けを何度やっても掛からないときは、別に原因があるはずですので、無理はしないで原因究明に徹しましょう。あくまでもスイッチはオンになっていて、ガソリンはしっかりと入っているしキャブまで流れていて、プラグの火が飛んでいる、これが押し掛けする際の絶対条件です。意外と知られていないのは、押し掛けが出来るのはキャブ車だけという事。インジェクション車両は電気が全てに回っていないとエンジンが掛かりません。バッテリーがしっかりしていないと駄目ということです。バッテリーがしっかりしてさえいれば押し掛けはできますが、当然セルも回る状態なので、押し掛けする意味もないでしょうからやめておきましょう。

最終手段にならないためにも

これからの季節、気温が下がっていきます。バッテリーは寒さに弱いので、しっかりと走行後にも充電をするなどして、いつでもセルが回る状態を保ちたいものです。

そこで、バッテリーチャージャーは常備しておきたいです。ツーリングから戻った時などにチャージすればバッテリーの寿命はかなり変わってきますし、冬の朝でもセルが元気に問題なく回ってくれます。バッテリーは走行後の活性状態の時にチャージするのが一番です。

走行後に12Vギリギリだったりするときは、バッテリーの寿命が近い証拠ですので、迷わずバッテリーの交換をオススメします。雪国の方はこれからハーレーを冬眠させる季節になってしまいますが、一年中走れる環境の方は冬も気持ちよく走るためのメンテナンスをお忘れなく!

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