ハーレーの車検前の準備

投稿日:2014-12-19

バイクの車検は排気量が251cc以上のバイクに義務付けられており、大型バイクであるハーレーは避けて通ることはできません。しかし実際に車検でどのような点検が行われているかについては知らない人も少なくないようです。今回は、ハーレーのオーナーなら覚えておきたい車検について説明します。

車検とは?費用は?

車検とは正式には「自動車検査登録制度」のことです。新車の場合には登録から3年後、それ以降は2年おきに定められた保安基準に適合しているかを確認するために国土交通省によって実施されます。

よく、「今回の車検に10万円以上かかった」「車検代が安く済んだ」といった話を聞きますが、原則的には車検に必ずかかる費用はほぼ一律の金額です(地域によって若干の差はあります)。内訳は重量税4,400円、検査手数料が1,700円、自賠責保険料が2年間で13,640円です。この3つの合計金額が車検にかかる費用であり、どこに依頼したとしても変わりません。

ではなぜ車検価格に差が出るのでしょうか?一般的に、ディーラーなどにバイクを持込み、トータルな整備を行うことを目的に細かな部分の整備や部品交換まで行う場合には手間賃も含めて価格は高くなります。車検をクリアすることに重点を置き、決められた検査項目の範囲内で点検と整備を行うようにすれば価格は低く抑えられます。車検価格の差は目的の違いによるとも言えます。

どんな方法で車検を受ける?

1.ディーラー及び整備工場に持ち込む

ディーラー及び整備工場では整備から車検までを一括して行います。その場合、認証工場と指定工場(一般には民間車検場と言う)によって検査場所が異なります。認証工場は整備までが認められているので車検は陸運支局へ持ち込みになり、指定工場は自前の工場で行います。バイクオーナーの立場からすれば手間がかからず、安全が得られるメリットは大きいでしょう。ただし「車検代に10万円以上」と言われるくらい、出費も覚悟しなければなりません。

2.ユーザー車検を行う

1990年代から自分で陸運支局にバイクを持ち込むユーザー車検の件数が増えてきました。かつて煩雑だった書類も現在では簡略化され、素人でも比較的気軽に車検を受けることができます。ショップで整備してもらってユーザー車検を受ける方法もあれば、自分で整備して受けるのも悪くありません。ただし、基準を満たさず車検が通らなかった……といったことがないよう、一定の知識と技術は必要です。予約はインターネットで簡単に行うことができます。

3.ユーザー車検代行業者を利用する

前述2つの中間に位置するのがユーザー車検代行業者を利用する方法です。1990年代にニッチ産業として出現しました。陸運支局は平日しか稼働していないので、ユーザー車検を受けるには平日に休まなくてはなりません。その手間と今までショップにお任せだった整備を省き、価格を安く抑えています。ただしきめ細かい整備までを求める人には不向きと言えるでしょう。

車検の流れ

おおまかな検査項目は下記のとおりです。基準を超えるカスタムを行っている場合には、ノーマルに変更する必要があります。カスタム車はショップによっては車検だけでなく、ノーマルへの変更や整備も断られる場合があるので注意してください。

1.車体寸法

車検証記載寸法より、幅:±20mm以内、高さ:±40mm、全長:±30mmが許容範囲で、これを超える場合は構造変更が必要です。ハンドル変更申請は極端なものでなければ比較的簡単に、無料で行うことが可能です。

2.ウインカーのレンズ

オレンジ色で発光部面積は7c㎡以上。割れたものをテープなどで補修するのは不可となっています。

3.マフラー

現行モデルなら94db以下、昔のモデルでも99db以下でないと通りません。排気ガスが漏れていても当然NGとなります。
ハーレーでは2000年以降のモデル全て排ガス検査も対象になります、ノーマルマフラーでないとほぼ、車検をパスするのは不可能ですので、中古車ご購入の際などには販売店に詳しく説明を求めることをお勧めいたします。

4.ヘッドライト

光軸のズレがチェックされます。個人で直すのは難しいので、不合格になったら車検場近くのテスター屋に持ち込むのが早いかもしれません。料金は2千円近くかかります。

5.ブレーキ・タイヤ

摩耗していると車検が通りません。ブレーキバットやタイヤの溝は充分な残量が必要です。命に直結する部分なので、車検に関係なく日ごろから神経を遣うべきでしょう。

6.その他

細かい点では、チェーンカバーやタンデムベルト、タンデムステップのあるなし、ホーンが鳴るか、ナンバーランプやブレーキランプが切れていないか、スピードメーターが適正に作動するかといった点もチェックポイントとなります。総じて言えば新車に近い状態であることが望ましいということです。

バイクは法定定期点検として6カ月点検と12カ月点検が義務付けられていています。6カ月点検は20項目、12カ月月点検は56項目の点検箇所があります。

車検を受ける際には12カ月月点検をしておくことをおすすめします。不具合のある箇所の部品交換をする場合も考えて、できるだけ早めに取りかかった方がよいでしょう。

このページのTOPへ