愛車を守る。ハーレー盗難対策

投稿日:2014-12-19

目を離していた隙にハーレーが消えていた、イグニッションに異物を挿入した跡があった、ロックに切断しようとした痕跡があった……盗難被害はある日、突然起こるもので、けっして他人事ではありません。ここではハーレーの盗難対策について解説します。

盗難件数は減少でも安心できない理由

警視庁の統計によると平成21年は6,548件あったバイクの盗難件数は年々減少し、平成25年には3,926と約半数になっています。しかし残念ながら、件数が減っている理由は善人が増えたからではありません。盗難件数が多かった原付バイクの販売不振をはじめ、バイクの全体の販売台数の減少したことが理由だと言われています。

盗難の減少はバイク全体での話で、人気車種の盗難件数はむしろ増加しています。その中でもハーレーは、最も狙われているバイクのひとつです。

高級車専門の窃盗団の存在

現在のバイク盗難の目的は転売が主流です。とくにハーレーをはじめとする高級バイクには専門的な窃盗団が存在するため、常に危険にさらされています。一説ではあらかじめ車種やカラーなど細かなオーダーを受けて、それに見合ったハーレーを盗み出しているとも言われます。また、窃盗団は10分以内の短時間にハンドルロックなどを解除し、エンジンを始動できるよう訓練されているという報道もあります。転売先は東南アジアをはじめとする海外が多く、そのため一度国外に送り出されればバイクが発見されることは難しいと言わざるを得ません。

このように、ハーレーはいわば「商品」として目を付けられています。純正イモビライザーの機能は優秀ですが、ハーレーのオーナーであれば誰もが使っているものです。つまり、窃盗団も充分に研究し尽くしているということです。まずは、それだけでは充分な盗難対策とは言えないことを自覚すべきでしょう。

地球ロックという考え方

では、バイクを盗まれないようにするにはどんな対策を施せばいいのでしょうか?

まず、バイクの固定方法として地球ロックという考え方があります。これは動かせない、あるいは破壊できない構造物とバイクを鎖などで繋ぐというものです。逆に言えば、ハンドルやタイヤにいくら強力なロックを掛けたとしても、バイクごと持ち上げて運ばれてしまっては意味がないということでもあります。

地球ロックを行うにはアンカーとチェーンが必要です。アンカーはコンクリートの地面などに埋め込んで使うもので、自宅のガレージなどに設置できる強力な商品が市販されています。屋外であれば電柱、フェンス、ガードレールなどをアンカー代わりに利用する方法があります。アンカーになるものがない場合の次善の策としては、知り合いのバイクと繋ぐのが意外に有効です。いっぽう、チェーンも強力なものが市販されており、とくに多関節のアームロック方式のものは信頼性が高いと言われ人気があります。

盗難保険や位置確認サービスを利用する

ロックとは別に、バイクが盗まれるリスクを想定したうえで、盗難保険に加入しておくのも賢明な手段です。ハーレーダビッドソンには専門の盗難保険商品も発売されています。

あるいは、警備サービス会社大手のセコムが提供するバイク盗難時に利用できる位置確認サービスもユニークです。GPS衛星と携帯電話基地局の電波で位置を検索できる専用端末(ココセコム端末)をバイクに隠し、バイクが盗まれたことに気づいたらすぐにパソコンや携帯電話でバイクの現在位置を確認したり、オペレーションセンターに電話して専門スタッフによる現在位置検索を依頼することができます。さらに、現場急行サービスの要請を行えば緊急対処員が駆けつけて捜索を行ってくれるサービスも付帯しています。利用料金が月々2,000円程度と比較的リーズナブルなこともあり、評判が良いようです。

もちろん、さまざまな対策を行ったとしても、バイクが絶対に盗まれないという保証はありません。けれど対策を講じればそれだけ盗まれる確率は減少し、盗まれた後のことまで考えておけば被害は最小限に抑えられます。まずはできる限り努力を尽くし、アクシデントに備えることを考えてみてはどうでしょうか。

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