ハーレーは速さじゃない!一般的なショベルヘッドの最高速を知る

投稿日:2016-07-12

すっかり旧車のイメージも定着してしまったショベルヘッド。けれどその人気は根強く「最もハーレーらしい」というファンも少なくありません。最近はハーレーショップによる修理・レストアの信頼性も高く、プロがしっかりと整備した車両なら普段の足としても十分に使えます。また、旅に出るにしても最低限の電装系予備パーツがあればそれほど不安もなく走れます。

そこまでは良いとしても、高速走行時に30年前が現役だったバイクがどこまで走れるのか。そんな疑問を抱く方もいるかもしれません。果たしてショベルヘッドエンジンは何キロまで出せるのでしょうか。

エンジンのマウント方法を知る

一部FXRやFLTを除くと、ショベルヘッドエンジンはフレームにリジッドマウントされています。これは最近主流のラバーマウントと違いエンジンの振動がダイレクトに車体全体に伝わります。ラバーマウントはフレームにエンジンを搭載する際に振動を吸収するラバーを間に挟むと考えて下さい。それにより車体に振動の伝わりを軽減できるので、身体に感じる振動も当然減ります。

ショベルヘッドはその吸収材なしで直接エンジンが積まれているリジッドマウントですので、振動は車体全体に、当然身体にも伝わります。なのでショベル初心者は1時間ほどの通常走行でも降りてしばらく手が振動の余韻でピリピリしたりする人もいます。それもハーレーの鼓動だと醍醐味だと感じる人も大勢いますが。

スピードは振動との戦いだ

リジットマウントのショベルヘッドは、当然スピードを上げれば上げるほど振動も大きくなります。具体的に言えば、120キロでバックミラーは揺れまくって視認性が無くなります。当然身体や頭も揺れていますので慣れていないと意外と大変です。

けれど人間の対応力は凄いもので、しばらくするとその振動に慣れてきます。初めは100キロの振動に驚きますが、そこをクリアすると110キロの振動に慣れ、120キロでミラーが見えなくなることに驚きますがそこにも慣れます。ではその先はどうなるのでしょうか。

個別差が激しいショベルヘッド

最高速と問われても答えが出せないのがショベルヘッドです。通常の車両なら120キロ程なら必ず出ますし、振動に慣れればそのスピードでの巡行も可能です。しかし、排気量が1,200㏄と1,340㏄の2種類あるので、勿論それで最高速度も変わってきます。

また、エンジンや各種整備内容によっても違いますので、180キロで走行しても余裕だったという人もいますし、130キロで死にそうだったという人もいます。ですので一概に「何キロ出せる」という明確な数値は答えられませんが、現在の交通事情に遅れを取ることは絶対にありませんし、高速道路を走行しても何も不自由はありません。

もちろんショベルヘッドは、最新のツインカムエンジン搭載車両と一緒に高速走行したいという人には向きませんが、力強いハーレー特有の鼓動を感じながら走りたいという人には打って付けでしょう。

もっと快適にするために

リジッドマウントでの振動は仕方ないにしても、車体から乗り手に伝わる振動を軽減する方法はあります。例えばハンドルライザーにダンパーを付けてラバーマウントにする。


ショベルの4速フレームはカッコいいですがショックのへたりや、ショートショックなどを付けるとリジットフレーム並みの衝撃になるので

 

スプリングで衝撃と振動を吸収すれば、乗り味はもちろん最高速も大きく変わって行きます。最高速だけを考えるのなら速いバイクはいくらでもありますが、乗っていて気持ちの良いバイクはそんなにないのかもしれません。ショベルは確実に乗っていて気持ちの良いバイクの部類に入るでしょう。

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