ハイオクが最上級じゃない!? 知られざるガソリンの世界

投稿日:2019-07-26

一般的なハーレー・バイカーにとっては、ガソリンと言えばハイオク。それ以上でも以下でもありませんよね?一方で、古からのバイカーさんが「有鉛ガソリン入れていたよ!」とか「無鉛対策したぜ……」なんて言う話を聞いたことがあると思います。またアメリカのレースシーンではアルコール燃料が広く使われている、なんていう話を聞いたことがあると思います。

そこで今回は、ササっとガソリンの世界について、お話してみたいと思います。

 

ハイオクとレギュラーの違いってなんだ?

これについては以前、当コラムでこんな記事を書いていまして……

ハーレーにレギュラーガソリンを入れるとどうなるのか?

筆者の体験談を交えてご紹介しているのですが、ハイオク=オクタン価が高いガソリン、ということであります。

それ以前は、オクタン価を上げる=エンジンのノッキングを防ぐためにガソリンに鉛が混ぜられていたのですけど、それは健康に悪いではないか、ということになり、よりオクタン価が高いガソリンとしてハイオクが登場したと、そういう背景があります。

では、オクタン価ってなんだ、ということですが、これはガソリンのノッキングの起こり難さを示す一つの数値です。で、それは日本・EU・アメリカで、それぞれオクタン価が幾つ以上ならハイオク、というように定められています。日本ではこのオクタン価がレギュラーガソリンが89以上、ハイオクガソリンが96以上とJIS品質規格(JIS K 2202)で定められているのです。

 

レースガソリンってなんだ?

ハイオクが登場した経緯は先に書きましたように、健康問題への対応なのですが、昨今は燃費の追求と環境対応により、ハイオク仕様車が圧倒的に増えて来ました。ところが……オクタン価が高いガソリンは高出力を得やすい、というのも事実なのであります。

そこで気になるのがレースガソリンでございます。一般的なレーサーは普通にハイオクガソリンで走らせているわけですが、一方でレースガソリンというのも存在しているわけです。有名なのはelfやSunokoですが、他にも幾つかのブランドのレースガソリンが購入可能であります。これらはハイオクガソリンよりも更にオクタン価が高く、ブランドにより異なりますが、(確か)110を越えるオクタン価のガソリンも存在しています。

また有名なので、あまり多くは書きませんが、F1は専用ガソリンの開発が許されています。これなんかは、ガソリンが違えば得られるパワーも変わって来る、という事実を証明している話ですね。

 

アルコール燃料ってなんだ?

アルコール燃料……あまり最近は聞かないかも知れませんが、大昔はアルコールってガソリンと共に、ちゃっかり燃料の一つだったんです。その燃えやすさは、未だにアルコールランプなるものがキャンプ用品として生き残っていることからも、伺い知ることができます。そんな背景もあり、ガソリン価格が高騰するたびに、アルコール燃料が話題になったりもしたのであります。

一方で、アルコールの一種であるエタノールというのがありまして、コチラはバイオマスベースで作られることから、環境への配慮ということで、近年話題になったり、ならなかったり、しています。植物由来ということは、燃料になる前に二酸化炭素を吸収している。それを再び燃やすのだから、化石燃料よりも環境に優しいではないかと。こういう論理です。

 

ガソリンは当分の間なくならない⁉

ということで今回は、ガソリンに関する四方山話をお届けしました。

ちなみに、現在ナイスミドルへと成長した筆者が幼少時だった1980年代には、「21世紀にはガソリンはなくなる!」と真顔で論じられていました。ところが……採掘技術の向上や探査技術の向上、さらにはシェールオイルの登場により、21世紀になって20年が経とうとする現在……まだまだ地球のガソリンは満タンなのであります。一説によると2200年まで大丈夫、なんて話も聞こえてきます。

ハーレー好きの多くの皆さんもそうでしょうけど、地球環境が許してくれる限り、ガソリンを燃やして走りたいと思う筆者なのです。

 

画像参考-Unsplash
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